バイオ暗号
「キ行 作品」
作品名 消えたイワシからの暗号
著者名 河井 智康
発行日:1999.7.30
出版社:三五館
形式:四十六判
目次
第1章 死体なき大量殺魚事件
第2章 主役が交替する大衆魚
第3章 21世紀の魚種交替を予測せよ
第4章 七人の研究者が行く
第5章 ファイブ・ミラクル・モデルズ
第6章 長良川の論戦
第7章 イワシとの再会はいつ
第8章 イワシの復活を拒む二つの障害
ストーリーの概要
 魚類の資源に関わる、もっともドラマチックでもっともミステリアスな現象と言われる「魚種交替」についての研究結果―七人の研究者がそれに挑戦するドラマ。

 イワシが獲れなくなった。日本のマイワシの年間漁獲量は、1988年を境に年々減少して、1997年には約20分の1に落ちこんだ。
 だが、「2020年代にはふたたびイワシは豊漁となる」と著者は予測する。
 こう予測する根拠は何か。
 太平洋側ではマイワシ・サンマ・マサバ、日本海側ではマイワシ・マアジ・マサバが大衆魚の代表である。これらは、同時には繁栄しない。三つの種類は、入れ替わる。この現象が「魚種交替」である。
 
 ある魚種が異常繁殖することで、魚類全体が安定的に繁栄する。つまり、Aという魚種がダメならBという魚種がある、という全体のリスクを小さくする合理的な戦略が自然界にはある。
 これは単なる魚類の戦略の解明ではなくて、漁獲量予測の重要なヒントとなる。

 7人の研究者に五つのモデルについてブレインストーミングし、計算した結果から生まれた複数の魚種交替予測モデル、調査、統計を駆使した予測について述べられている。
暗号について
暗号については良く分からない。魚種交替の不思議さ、謎が暗号で、その謎を解くことが暗号解読なのだろう。
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