海外の暗号小説
[ア行 作品]
作品名 暗号名スイス・アカウント
著者名 ポール・アードマン   (Paul Erdman)    (訳:山本 光伸)
発行日:H5.4.25
出版社:新潮社
形式:文庫
目次
「なし」
ストーリーの概要
ナチス・ドイツが各国から略奪した金がスイスに運ばれ、戦費にあてられている?
アメリカは後のCIA長官アレン・ダレスを長としてその調査に乗り出す。一方、スイスの反ナチ派はドイツの侵攻を恐れ、情報をアメリカに求めた。
ナチスと連合国に挾まれ、双方に戦争協力を余儀なくされながら自国の生存の道を探るスイス。第二次大戦下の中立国で繰り広げられた熾烈な情報戦。

小説だが、歴史上の事件や人物は実話に近い。創作との混同防止のため、章ごとに参考文献が示されているなど、ノン・フィクションに近い。
主人公役の、スイス情報部のピーター・ブツクハルト、その妹のフェリシタス、米副領事のナンシー・ライクマンは創作人物。

大戦中のスイスは、絶対中立は表面で、内情はナチスを経済・貿易面で支援する一方、連合軍特にアメリカにも諜報活動を支援する等、戦時下に生き残るための苦しさがあった事を、この本で知った。

暗号について
* 内容が情報戦であるがゆえに、暗号は付き物である。
* スイス情報部は、ドイツ、ソ連の軍事行動に関する情報を入手するため、無線の傍受を実施。その結果
 ・ ソ連のスパイのアジトを捜索し、送信原稿やコールサインのリスト、暗号表・暗号書を押収。
 ・ モスクワへの送信:無名の本を使って、そのページにある単語や数字を示すアラビア数字を送信
 ・ 暗号解読者の解読要領・・・使用していた本を判定する。
* マイクロフィルムに写された緊急メッセージ
* その他処々に暗号の使用が出てくる。
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