海外の暗号小説
[ア行 作品]
作品名 暗号はマルコ・ポーロ     (Masterstroke)
著者名 マリリン・シャープ    (Marilyn Sharp)    (訳:月守 晋)    
発行日:昭和58年10月15日
出版社:講談社
形式:講談社文庫
目次
「なし」
ストーリーの概要
 人権問題に関して、米ソ首脳会談が開かれようとしているときに、ユーゴスラヴィア大使が殺害される。国務長官補佐ピーターの親友も「マルコ・ポーロを調べろ」と言う言葉を遺し、爆殺された。
 極秘であり、その存在さえ関係者以外知らないはずのこの会談の真相を握るテープの存在が明らかになり、その行方が不明。その行方を追い、争奪戦が始まる。KGBの執拗な要求をかわし、ヒピーターは真実へと近づいていく。
 米の国務長官、ソ連の駐米大使・KGB議長・外務大臣・ソ連首相等が重要な役割を占め、国務長官の娘・その恋人である国務次官補が絡み合い、事件の発端から、事件の拡がり、どんでん返し、ありそうもない事件かもしれないが、結論の読みにくいスト-リーで面白い。
 しかし、もうこのような話は設定できない時代になった。
暗号について
・反政府地下組織の連絡用合図・・・・一種の暗号・合言葉のようなものの一例
 ソ連収容所から逃亡したユーリは、逃亡先の安全の合図である「窓の内側のローソクが曲がり西の方」を向いていた。しかし、KGB側に漏れていたのか・・・
・ピーターの親友が殺されたとき残した言葉の意味は・・・・KGBに分からないように暗号化したがピーターにも分からない。
 「マルコ・ポーロの出生を調べよ。当然と思われることは除外せよ。それからソビエトの6人を忘れるな」

・米ソ間のホットライン
 ホットラインは電話ではなく、テレタイプの機会の列で、合衆国とビエトで半分ずつ製造された。機会は即座に英語とロシア語の双方で書かれた文章を伝達する。

・ソ連スパイの通信方法
 手早く無線機の部品を組み立てた。暗号で短い伝達文を送るのに五分とかからなかった。

・ユーゴスラヴィア大使が殺害されたとき残した言葉・・・英語かスラブ語かにより解釈が異なる。これも一種の暗号
 「スプレイ」「キー」「コルチュラ」ではなく「スプレチ」「コルチュラ」だった。

・極秘の会議テープ・・・・米ソそれぞれが持ち、同時に特殊機械にかけないと聞けない。・・・これも一種の暗号
 CIAとKGB両者が共同で設置した特別のシステムでテープで録音された。それは非常に高度な技術のシステムで二本同時に録音する。もしどちらかが一本だけ再生しても、全くの雑音しか聞けない。しかし、二本同時に適正の再生装置にかければ、人の声が現れてくる。予備会談で合意した諸々の事項の記録なのだ。
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