海外の暗号小説
[フ行 作品]
作品名 フェルメールの暗号  (Chasing Vermeer)
著者名 ブルー・バリエット (Blue Balliett)    絵:ブレット・ヘルキスト 訳:種田 紫)
発行日:2005.8.30
出版社:ソニー・マガジンズ
形式:四六版
目次
1 三通の手紙   2 手紙は死んだ  3 シカゴ美術館
4 ピカソの嘘  5 虫、ヘビ、ニチニチソウ  6 天文学の箱
7 壁の男    8 ハロウィン  9 青は秘密のしるし
10 カエルの紙ナプキン  11 悪夢  12 四時にお茶を
13 専門家なんて要らない! 14 フラッシュライト
15 殺人とココア  16 朝から真っ暗闇  
17 フェルメールのジレンマ  18 よけいなおせっかい
19 古い階段  20 いかれた自己陶酔者
21 ぴったりの大きさ  22 十二、十二、十二
23 助けて!  24 パズルのピース
ストーリーの概要
 著者のブルー・バリエットは、このフェルメールの暗号で、2005年のエドガー賞(児童書部門)を受賞。
謎の画家・フェルメールの暗号のようなミステリアスな作品、どの絵が本物か、経歴は、数回の盗難……不可解なフェルメールの謎を題材にしたパズルを解くように楽しめる冒険小説。(青少年向け)

 事件は、「数世紀まえに犯された罪をあきらかにすべく、あなたの力をお借りしたい……」差出人のないこんな手紙が、たがいに見ず知らずの3人の人間に配達されたことから始まった。
 ハッセー先生の奇妙な行動、突然ニューヨークに引っ越したトミー、ちょっと怖いシャープ婦人、夢に出てきた少女……、そして謎の手紙が予告していた「フェルメール」盗難事件。シカゴ大学の付属校六年生の主人公ペトラとコールダーが活躍。
フェルメールの絵画「手紙を書く女」が盗まれる。犯人からは、マスコミを通して意外な要求が・・・。
12個のピースからなる「ペントミノ」のパズルの各ピースのパズルを組み合わせるように=推論力?を働かせながら犯人探しに奔走する。
 「ペントミノ」のピースはどれもが事件の解決につながるようにポケットから出てくる。そのピースから推測する謎解き。
全部で24の章から成り立っているが、最後の章まで真相は不明。そして、ばらばらだと思っていたピースの事象が関連する。

 なお、本書のさし絵にはあるメッセージが隠されている。答えは本書の最終ページある。
暗号について
暗号そのものは簡単な換字法の暗号。栞に鍵が示されており、換字すればすぐ解ける。解答は文面には出てこない。
挿絵にある暗号は、その意図が分からないと解けないかもしれない。分かれば簡単。
謎解きが全編にあり、読書そのものが暗号解読のような気がする。
子供から大人まで楽しめる本であろう。
フェルメールについて
『手紙を書く女』 (1665) ワシントンのナショナルギャラリー
 レンブラントと並んで17世紀オランダ美術を代表する画家。
 普通の人々、日常の光景を題材にした絵画は、画業が20年以上あるのに、現存する作品数が少ないためか人気があります。
 世界中でフェルメール作品が35点あると言われていますが、その中には作品の真偽が疑われているものもあり、それゆえ 「謎の天才画家」と呼ばれることもあります。
 絵画盗難、贋作、隠れた作品の発見等様々な角度からミステリーにも多く取り上げられている。
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