海外の暗号小説
[コ行 作品]
作品名 コーデックス     (CODEX)
著者名 レヴ・グロスマン  (Lev Grossman)  (訳:三川 基好)
発行日:2006.3.29
出版社:ソニー・マガジンズ
形式:四六版
目次
「なし」
ストーリーの概要
休暇中に公爵家の蔵書を整理することになった銀行員のエドワード。
そこには『キムメリア人の国への航海』という、14世紀に書かれた幻の古写本があるはずだという。もしそれが発見されればものすごい価値を持つという書物だ。いったいそれはどんな書物なのか?本当にここにあるのか?
そしてなぜ公爵夫人はそれを捜しているのか?
エドワードは中世学専攻の女子学生マーガレットの力を借りて、すべての謎解きに挑むのだが…。
コーデックスとは、通常は聖書や古典作品の手書き写本、あるいは法典を指すが、ここでは巻物に対して、紙や羊皮紙を裁断し、綴じて、表紙を付けたものと言う意味で使っている。
暗号について
* 文献目録の決まり
 ・大きさ、版型・丁合、シート番号、丁数、ページ数についての専門的情報。それらをアルファベットの大文字、上付き文字、ギリシャ文字からなる決めごとを書くと、暗号のようだ。
* 本を探す理由は、それが「ステガノグラフィ」と考えているからだ。暗号の専門用語で、暗号の存在自体を隠したり、カモフラージュを施して、見ても分からないようにしたメッセージのこと。
  本の場合は、メッセージは本文中に織り込まれたり、イラストに隠されたり、透かしや装丁、材質の選択、インクの成分の割合に隠されていたりする。見ても全く分からない。
* 隠す場所はいくらでもある。挿絵の中、見えないインクで書いた文章、針で突いた穴、中世で使われたアルファベットの暗号。
  中世の暗号は実に多彩。ヴェニスは中世世界の暗号の達人が集まっていた町だ。
* 象形装飾を施した大文字。装飾が本文と関係がないのがおかしい。
  装飾文字だけをひろい取る・・・しかし意味がない。
  並び替えてみると・・・アナグラム・・・偶然ではないのか?
  その文の文字の出てくる順番にページを並び替える。
  その順に装飾文字の示す意味を読み取ると・・・・・。

* 「役者あとがき」にも、その暗号の役割、面白さが解説してある。
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