海外の暗号小説
[ク行 作品]
作品名 黒後家蜘蛛の会 4    (Banquets of the Black Widowers)
著者名 アイザック・アシモフ  (Issac Asimov)  (訳:池 央耿)
発行日:1985.11.8
出版社:東京創元社
形式:創元推理文庫
目次
1 六千四百京の組み合わせ
2 バーにいた女
3 運転手
4 よきサマリア人
5 ミカドの時代
6 証明できますか?
7 フェニキアの金杯
8 四月の月曜日
9 獣でなく人でなく
10 赤毛
11 帰ってみれば
12 飛入
ストーリーの概要
ヘンリーをはじめ、おなじみ〈黒後家蜘蛛の会〉の活躍を描く第四弾。
女人禁制クラブ、 弁護士、画家、数学者、暗号専門家・・・職業も興味もバラバラで、単に親睦を深めるための集まり。
月一度の会合の席で、毎回ゲストの秘話から始る謎解きに対し、各人の推理合戦と化す。この会話の面白さが最大の魅力であり、推理が行き詰ると何故かいつもあっさりと謎を解いてしまうのは控えめな給仕のヘンリー!

このヘンリーは、給仕ながら回を重ねるにつれ、立派な会のメンバー、「我々の中では一番の知恵者」とゲストにも紹介されるほどになっていく。
事件のバリエーションも豊富。アシモフの作品はは傑作揃いである。解説は鮎川哲也。
暗号について
1 六千四百京の組み合わせ
 ・今抱えている問題は暗号の解釈。ところが肝心の暗号がわからない。先ず暗号をでっち上げることからかからなくては。
 ・「ゴルトババの問題」を解いたポヒックが発表する前に競争相手のサンディーノが発表した。その男には解けるはずがない。ポヒックは解答が保存してあるコンピュータに暗号を使っているが盗まれたのか?
 ・暗号は14文字の組み合わせ。ポヒックしか知らないはずだ。6千4百京の組み合わせがある。何の意味もない文字の羅列を記憶できるのか?
 ・ヘンリー:14は、ソネット(詩)の行数。ミルトンの最も傑作の詩の14行のはじめの1文字を・・・・

2 バーにいた女
 ・ バーで隣にいた女、そして少し離れて座っていた二人の男からけんかを売られる。その時女はサクランボを四個投げた。
 ・ ヘンリー:サクランボは小さな丸い球。4個投げたとは「四球」のことでは?「ファースト」へいける。即ち「一番街(ファースト)」へ行ってくれという合図では?

3 運転手
 ・ 運転手はスパイだった。そして殺された。「プルーターン」と「シンポジウム}、どんな関係?
 ・ ヘンリー:シンポジウム(饗宴)は古典の名著・・著者はプラトン。英語読みで「プレイトー」・・ギリシャ語では「プルーターン」

4 よきサマリア人
 ・ ハンドバックを盗まれた夫人、取り返してくれた若者に御礼をしようと思うが名前を思い出せない・
 ・ ヘンリー:「ユージン」では?ポートランドの南にある町の名。アメリカ史の「オレゴン問題」~判断

7 フェニキアの金杯
 ・ 闇市場で「フェニキアの金杯」が売り出された。持ち主が突然死。その金杯が消えた。
 ・ ヘンリー:紙に書かれた「Bif」は英語ではなく仏語では?そして三つの点のようなものはフランス料理店なら必ず掲げている紋章「フレール・ド・リス」では?どこかは疑いの余地はないでしょう。

8 四月の月曜日
 ・ 恋人とラテン語の翻訳を競争することになった。しかし、その問題を開封する日が15日なのに彼女は13日に開け、翻訳を開始して時間をかけた分よい翻訳をした。
 ・ 「アイズ・オブ・エイプリル」を「4月15日」と取ったのは間違い。4月では「アイズ」は「13日」なのです。
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