作品名 |
スパイの誇り |
著者名 |
ギャビン・ライアル (Gavin Lyall) (訳:石田 善彦) |
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発行日:1999.10.31
出版社:早川書房
形式:四六判
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目次
・ サロニカ・ロードで
・ スパイ・ヒルを登って
・ ロンドンのクラブで
・ 暗号を守れ
・ ホワイトホールの奥で
・ キールからの葉書
・ キャヴェンデッシュ広場で
・ 不信のとき
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ストーリーの概要 |
1912年、ヨーロッパは戦争への予感に怯えていた。バルカン半島を火種に、全世界を巻き込む戦争が勃発するのは時間の問題らしい。列強各国は、敵陣営の内実を探るのに腐心していた。そのための機関――情報部は、何処の国もまだその産声を上げたばかりだった。
一人の英国人が、トルコからの開放に湧くギリシャに居た。彼の名はランクリン。設立後まもない英国情報局で働くことになったランクリン大尉は、助手のオギルロイとフランスへ渡った。
極秘裏にフランス陸軍省に暗号帳を届けるのが任務だったが、その暗号帳を狙って巧妙な待伏せが仕掛けられていた。
敵の手中に落ちたランクリンは暗号の秘密を守るため、一か八かの賭けに出るが…草創期の英国情報部を題材に、一人前のスパイへと成長してゆく男の姿を描いたスパイ小説。
ランクリンや部下のオギルロイがリクルートされる導入部のほか、3篇の中編が組み合わせられて一冊となっている。 |
暗号について |
・暗号を守れ
託された暗号帳、X/Y/Zの3種類。本物は一つ。3人のスパイが、夫々X、Y、Zを3冊づつ運ぶ予定が、X/Y/Zが1冊づつの組み合わせに成っていたことから事件が始まる。
暗号帳の重要性を認識しながら、運ぶランクリン他のスパイとそれを奪取しようとする敵側 、取る方も露骨に本物を奪えばそれが役に立たなくなることを承知しながら暗号帳奪取に向かう。
・暗号電報の発信は、民間人には権利がない。
・スパイの暗号使用例が諸所に出てくる。
例:絵葉書や電報に一見意味不明の数字の羅列・・・・敵軍艦等の種類と数。
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