海外の暗号小説
[シ行 作品]
作品名 ジャンガダ   (La Jangada)
著者名 ジュール・ベルヌ   (Jules Verne)  (訳:安東 次男)
1969年に発売の復刊

発行日:2013.8.1
出版社:交遊社
形式:四六判(ソフト)
目次
第一部 PREMIERE PARTIE
1森番 2泥棒と盗み 3グラール家 4ためらい 5アマゾン 6地上を覆う森林に 7蔦づたいに 8ジャンガダ 9六月五日の夕 10イキトスからペパスへ 11ペパスから国境へ 12フラゴッソ開業 13トレス 14さらにアマゾン河をくだって 15同じくアマゾン河くだり 16エガ 17攻撃 18到着の食事 19古い物語 20二人の男のあいだで
第二部 DEUXIEME PARTIE
1マウナス 2最初の瞬間 3過去へのさかのぼり 4心証 5物的証拠 7解決 8最初の探索 9第二の探索 10砲声一発 11鞄のなかみ 12文書 13数学が問題になる場合 14 まったく偶然に! 15最後の努力 16手はずはととのった 17最後の夜 18フラゴッソ 19チュコの犯罪 20アマゾンの下流
ストーリーの概要
 「ジャンガダ」とは筏のことである。長さ300mの巨大な筏での悠々たるアマゾン河の川下りだ。
 1部はアマゾン川下りが中心で、話の本筋は遅々として進まない。
 2部に入って急転直下、話はどんどんと進む。
  主人公の無罪立証のための証拠物件が暗号化された文書であった。

*ヴェルヌは、南米を旅することなく、空想のアマゾンを見事に書いている。読者は中途で様々な事件に遭遇しながら、4ヶ月半をかけて、奥地のイキスト村から河口のベレンの町まで空想の旅をすることになる。
*このアマゾンくだりには、グラール家の名誉回復という、もう一つの筋がついてまわる。
 ハリスト判事のポー由来の謎解きの情熱、吹く人物のフラゴッソとリナの二人が終始、この小説にユーモアと気安さを付け加えていることも見落とせない。(訳者あとがきから)
暗号について
 暗号解読の結末に至るまでの伏線の妙が素晴らしい。「ジャンガダ」では、トップページから暗号文書の部分が紹介され、第U部は無罪証明となる暗号文書の解読が主論となっている。
*冒頭に暗号文
 ・その男の手にした文書の最後には、奇妙な文字が並んでいた。文書には、百行ほどの文字が連ねられていたのだが、一つ一つの単語に区別することは不可能だった。それは何年も何年も前に書かれたもののようで、これら聖刻文字でうめられた分厚い紙は、すでに長い年月にさらされて、古び、黄ばんでいた。
 ・この種の暗号文を読むにも「合かぎ」がいる。
*第U部での暗号解読
 ・ハリケス判事は、謎々、判じ絵、アナグラム、判じ物が趣味だった。
 ・無罪を証明する文書が、ハリケス判事のもとに届く。
 ・文字はいくつか?何語だろうか?各文字の割合は?・・・ポーの分析方法の活用
 ・文字を数文字づつずらしているのでは?
 ・ダコスタ(無実の罪)の名前が出てくるだろう。
 ・死刑執行当日、フラゴッソが真犯人の名前を探しだし、ハリケス判事のもとへ
  ・真犯人は「オルテガ」・・・これが鍵だ
  ・最終の暗号文字と比較・・・「432513」をj発見・・・解読に成功・・・「ダコスタ」の無罪は証明された
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