日本の暗号小説
作者名 中津 文彦
経歴 1941年、岩手県一関市出身
学習院大学経済学部卒
岩手新報社報道記者、現在は著述に専念
主要な作品 1982:「黄金流砂」:第28回江戸川乱歩賞受賞
1985:「七人の共犯者」:第12回角川小説賞
「喪失荒野」、「ジンギスカン殺人事件」、「特ダネ記者殺人事件」、「闇の本能寺」、「西郷隆盛殺人事件」、「九つの謎と死角」、「大奥背徳の殺人」、「消えた義経」、「謙信暗殺」「政宗の天下」「黄金回廊」、
「邪馬台国の殺人」、「秘宝」、「歴史に消された18人のミステリー」

作品名 ラバウルの秘密
中津ーラバウル 初出版:1988.2:中央公論社

発行日:1991.7.25
出版社:中央公論社
形式:中公文庫
目次
プロローグ
1 奇妙な招待状
2 キャプテン・コミネという男
3 混迷の森
4 解読された遺書
5 一本の毒矢
6 トラの吠ゆる穴
ストーリーの概要
推理作家の中小路は、大学の山岳部の仲間だった吉竹からラバウルへの招待状を貰う。慰霊団としてのツァーで向かった中小路は、吉竹から50年前の遺産の隠し場所を示すらしい暗号文を見せられ、解読に努力する。ツァーの仲間の一人が毒矢で殺される。遺産を巡る争いと殺人犯を捜すことに追われる中小路。
暗号について
77文字の漢字からなる遺書は、意味不明。暗号文に間違いはない。暗号の基礎的事項を記述し、解読に努力する。全ての漢字は、正しいが、良く見ると偏に偏りがある。
作品名 伊達騒動殺人事件
初出版:1984:講談社ノベルス

発行日:1989.1.15
出版社:講談社
形式:講談社文庫
目次

「なし」
ストーリーの概要
伊達騒動を研究していた仙台の中学教師・須藤が三陸の吉浜海岸で水死体で発見される。新婚1ヶ月の妻・恭子は、須藤の弟・俊二の協力を得て死の謎を追求する。須藤は、子文書に合った謎の文章を解読して殺されたのか?伊達騒動の顛末と、伊達藩重臣の子孫が歴史から抹殺されたのは何故か?
暗号について
古文書の末尾に記載されていた5行の文の意味は?変体仮名は読み慣れない人には全く分からない。短歌か。
作品名 黄金流砂
初出版:1982.9(講談社単行本)
発行日:1984.8.15
出版社:講談社
形式 :文庫

第28回江戸川乱歩賞
目次
1 地図にない山
2 義経は北へ
3 第2の殺人
4 二本のレール
5 羽黒山の碑
6 みちのくに黄金花咲く
7 黒鬼の岩屋
ストーリーの概要
新米記者法願総一郎が、赴任の車中であった高校教師の恩師である高名な歴史学者が盛岡のホテルで殺される。義経北行説について論争した郷土史家の老人等の行動が。アリバイが崩せない。判官神社に伝わる忠衛謎の古文書に記された不思議な文字の解読に難航する。ここに殺人事件の鍵が?平泉の絢爛豪華な文化の原動力をなした秘密。暗号推理の興奮も満喫できる傑作
暗号について
古文書に書かれた不思議な文字の解読。漢字以前に日本に文字はあったのか。文字の解読に成功したが、意味が分からない。二重構造の暗号だ。金色堂を魔法陣に見立てて手がかりに。
暗号解読の理論を述べながら解読していく面白みを楽しめる。
作品名 闇の龍馬
発行日:1992.3.31
出版社:光文社
形式 :カッパノベルス
目次
プロローグ
第1章 龍馬暗殺
第2章 薩長と土佐
第3章 新撰組の敵
第4章 滅亡の序曲
第5章 双頭の獅子
第6章 奸計と謀略

エピローグ
ストーリーの概要
慶応3年、坂本龍馬が暗殺される。誰が真の指令者か。陰謀と策略の入り乱れる中、幕府が、紀州藩が、さらに驚愕の大物が龍馬を狙う。彼の死で歴史を変えたのは誰だったのか。龍馬に私淑し、海援隊で行動をともにした陸奥宗光がその真相に迫る。
暗号について
龍馬が、乙姉に送った手紙に真の指令者の名前が、暗号として記されている。意外な人物とは。
inserted by FC2 system