日本の暗号小説
作者名 江戸川 乱歩
作品名 悪魔が岩    (「文藝別冊:江戸川乱歩」所収)
発行日:2003.3.20
出版社:河出書房新社
形式:雑誌(KAWADE夢ムック)
目次
「なし」
新発見小説:三津木春影急逝により、後半を乱歩が密かに書き継いだ原稿が、平井家の蔵から発見された。
(未発表作品)
ストーリーの概要
志摩の海岸に暴風の吹荒れる夜、倉沢省三と浜代の兄妹は父の安否を気遣う。祖父の遺書に従い、零落した家を再興するために宝玉探しの探検に出た父は、そろそろ近海に帰ってくるはずであった。
翌朝、兄弟は悪魔が岩と呼ばれる海岸で、父を知るらしい一人の船員に会う。そこへ近づいてきた異形の男を見て、船員は「遠山鷲三と云う悪人だ」と云って震えだし、省三に小さな箱の保管を託す。
省三は預かった錫の箱を物置の庇の下に隠す。
(以上が、三津木春影が大正4年に「少女の友」に2会計出した作品である。急逝に伴い、出版社はこの小説の続編を広く募集した。乱歩は原稿を書いたが、締切に間に合わず投書しなかった。)

「乱歩の続編部分」
省三は、小箱を確かめるために物置に行ったが、空になった箱と、大蝎の死骸を見つける。空の小箱は二重底になっており、暗号文が書かれた紙を見つける。暗号文を解読し、洞窟に行く。浜代と省三の役割分担、細紐による退路の確保、怪人との遭遇、財宝の発見等々・・・

*浜田雄介:「悪魔が岩」解説
・乱歩がこの続編を書いた動機、しゅような応募作品の紹介、乱歩のその後の作品との関連、乱歩の暗号等について、興味ある解説がなされている。
暗号について
*二重底の中にあった白い光沢のある滑革には、文字らしきものが影も形もない。
 ・ しばらくすると皮の表面に何か文字のようなものが・・・日光に当たると文字が現われる仕掛け
*下手な仮名文字で「ゑけおゐし。さやけ・・・・・意味不明、「よ」の字に濁点とは?
 ・ 一つ筒前の字を当てはめれば・・・・「しまのうみ、・・・・・」
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