日本の暗号小説
作者名 江戸川 乱歩
作品名 悪人志願    江戸川乱歩全集第24巻
発行日:2005.10.20
出版社:光文社
形式:文庫
目次
* 悪人志願
* 探偵小説十年
* 幻影の城主
* 乱歩断章
* 解題 注釈 解説
* 私と乱歩:堀江あき子
ストーリーの概要
何の因果か、私は人並以上に、泥棒や人殺しの話が好きなのであります―。
犯罪的才能への憧憬、探偵趣味、恋について、性欲について、同性愛について、そして創作について、探偵小説の巨人が、自己とその身辺を率直に語った好エッセイ集。
暗号について
悪人志願:
B:暗号記法の分類  (大正14年10月:探偵趣味に発表))
・ 暗号の歴史
  日本には、機械的あるいは数学的暗号法はなかった。
  外国では、古くから暗号が実用化していた。
・ 日本には、暗号に関する述作が一つもない。明治以降も恐らく出ていないであろう。
・ 分類
  割符法 寓意法 表形法 置換法 挿入法
・ 附記(大正14年発表の際、以下次号とあったが、続きは書かれず、「悪人志願」の収録に際し加筆)
  略記法 代用法 

C:探偵趣味(大正15年)
・ 欽明帝の御代に粛慎の貢使が鳥羽の上表なるものを奉ったことがある。黒い布だか羽だかで、何も書いてない為に、朝廷では大層お困りなすった。微臣王辰爾というものが、それを釜の湯気にかざして、解読したという話が、日本書紀に見える。これも暗号らしく思われる。
・ 西洋における昔の暗号の実話・・・スキタル。チャールズ1世

D:日本の誇り得る探偵小説(大正14年6月)
・ 谷崎潤一郎の探偵的作物について
  「白昼鬼語」には、ポオの暗号がそのまま使ってある。
探偵小説十年
・ 「算盤が恋を語る話」「日記帳」・・・二冊とも暗号小説である。この二冊を書いた理由。暗号に対する自己評価。

乱歩断章
・ポオと通俗的趣味
 ポオの「黄金虫」の暗号が「私に一種に親しみある驚きを与えた」。ペンネームとなった。
・楽屋噺
 「二銭銅貨」を書いた経緯稿料
・妙な手紙
 「変な手紙」受け取ることが多い・・・一番多いのは「暗号文の手紙」
inserted by FC2 system