日本の暗号小説
作者名 高柳 芳夫
作品名 悪夢の書簡
発行日:昭和60年1月1日
出版社:講談社
形式:新書(講談社のベルス)
目次
第1章 雨の旅立ち
第2章 明日への約束 
第3章 過去からの手紙  
第4章 一瞬の誘拐者 
第5章 MOSSADの影 
第6章 西ベルリン警視庁 
第7章 クーアヒュルステンダム大通り 
第8章 ヒトラーの密使 
第9章 不在者
第10章 アレキサンダー広場 
第11章 再開の森 
第12章 バニーガールの死 
第13章 運命の絆  
第14章 夜と霧 
第15章 漂泊のベルリン
ストーリーの概要
 第2次大戦後、ソ連に抑留され、日本に復帰した元外交官・杉浦は外務省から不要の烙印を押され、一匹狼に。西ベルリンでビアンカとの生活を始めた。
 イスラエル首相の要請で世界平和の鍵を握る書簡を追求していた杉浦は、苦心の末それを手に入れたが、何者かに奪われた。追い討ちをかけるように婚約者の誘拐、事件の手がかりを知る人物の殺害・・・。
 1937年7月、レマン湖畔でユダヤ難民救済会議が開催された。これにヒトラーが密使を派遣、ユダヤ人との金銭取引を提案。会議関係者のその後は・・・。
 一通の手紙に秘められた謎をめぐる国際ミステリー。
 外務省の意図に反して、日本へのビザを発行しユダヤ難民を助けた日本人外交官・杉原千畝がモデル。
暗号について
・外交官当時の外交官暗号の事例。
 「本省からの電報は、カウナス電報局から配達された。当時テレックスはなかった。電報は暗号で組まれていた。アルファベットの乱数表をかけ合わせて解読した電文は、・・・・」
・当時受領した「進展」「重要」電報。
 その文面を杉浦は理解できなかった。ドイツ語、フランス語、ロシア語、オランダ語でもなかった。杉浦はかなり外国語が出来るほうであるが、この手紙の文面は分からない。「イデッシュ」と呼ばれるユダヤ人の言語ではないか?
 * 知らない言葉は「暗号」である。
・口が利けないマリアが電話で知らせた?
 緊急な場合、受話器の傍でグラスやコップを叩く。その音で何が起こったか分かる。以前、マリアがそんな方法でビアンカと電話で話ているのをみた。
 * これも当事者同士でしか分からない通信方法で「暗号」である。
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