日本の暗号小説
作者名 鮎川 哲也
作品名 沈黙の函
初出:1978.1^5;小説宝石
   「蝋の鶯」
1979.3;カッパノベルス
 加筆改題;[沈黙の函」

発行日:2003.3.20
出版社:光文社
形式:文庫
目次
1 SPレコード
2 眠る人
3 再会
4 北国行
5 私立探偵
6 Gで終わる人の名は
7 クジラ料理
8 何処で学んだか?
9 鋼鉄の扉 

ストーリーの概要
 落水周吉と茨木辰二は、掘り出し物の中古品も商うレコード店を共同経営している。
 仕入れ担当の落水は、函館の製菓会社副社長宅で珍しい初期の蝋管レコードを見つけた。蝋管レコードには古い手紙がついていたが解読不能、なにが吹き込まれているのかわからなかった。
 引き取りのため再度出向いた落水は、函館駅からレコードを発送したまま行方不明に。
 無事上野駅に到着した梱包をほどいてみると、中には落水の生首が!
暗号について
* 蝋管レコードについていた古い手紙の解読
 ・全文手書き、何語か?
 ・ウラトニウム(・・)のつく文字・・・3か所のeの上に・・・ドイツ語ではない。
 ・店に来る外国人に見せても何語か不明
 ・一番下にあるサイン、最後の1字が[g]であることだけがはっきりしている。
→常連客の作家・広岡が解読
 ・eの上に就くウラトニウムはフランス語とロシア語・・・ロシア語の場合は「ドボエ・トーチカ」という。
 ・ロシア語を手書きする時、「d」の字を「g」とする人がいる。・・・・サインは「ヨハンナ・マリア・リンド
 ・1877年、レコードが発明され、声楽家・リンドが吹き込んだと思われる。
→リンドがロシアの皇后に蝋管を献上した時の手紙
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