作品名 |
不安な童話 |
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初出:祥伝社 (1994/11)
発行日:H14.12.1
出版社:新潮社
形式:文庫
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目次
プロローグ
第1章 遠い海への道のりは、ある日、突然に始まる
第2章 海に向かう道は、長くねじれている
第3章 すべての道が、海につながっているように見える
第4章 中には、海を見ずに終わる者もいる。
第5章 海に続く道
エピローグ |
ストーリーの概要 |
私は知っている、このハサミで刺し殺されるのだ―。
強烈な既視感に襲われ、女流画家・高槻倫子の遺作展で意識を失った古橋万由子。彼女はその息子から「25年前に殺された母の生まれ変わり」と告げられる。
大学教授の泰山、倫子の息子・秒、倫子から絵を贈るれた4人の人物…。とある童話になぞらえて表現した高槻倫子の想い、そして、その倫子にまつわる人々の想いと不安。
時に、溢れるように広がる他人の記憶。そして発見される倫子の遺書、そこに隠されたメッセージとは…。犯人は誰なのか、その謎が明らかになる時、禁断の事実が浮かび上がる。
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暗号について |
遺作に張り付けてあった遺書・・・4人の知人に絵を贈ること。
「私が死んだら、次の人たちに私の描いた絵お贈るように。
伊藤澪子 犬を連れた女
矢作英之進 曇り空
十和田景子 黄昏
手塚正明 晩夏
1969年8月29日 高槻倫子」
女の字とは思えない。書いているそばから文字がバラバラに解体されていってしまうようなまとまりのない筆跡。名前や絵のタイトルも不揃いで、紙の上に無造作に投げ出されたように書かれている。
(以上がヒント・・・・この遺書に何が隠されているのか?!)
*童話をモチーフにした絵には、実は謎を解き明かす手が辛いが象徴的に含まれている。贈られた本人しかわからない『悪意』が籠められている。 |
祥伝社文庫版:1994.4発行 祥伝社ノンベル新書版 (1994/11) |