日本の暗号小説
作者名 小栗 虫太郎
作品名 爆撃鑑査写真7号  (「小栗虫太郎全作品7 屍体七十五歩にて死す」所収)
発行日:1996.1
出版社:沖積舎
形式:A5(函)
目次
「なし」(短編)
ストーリーの概要
宣子の夫の礼吉はスイスの療養所に入院、汽車で知り合ったフロヴィッキーに心を寄せる。彼はパリに転勤した。彼を追っかけてパリに会いに行こうと駅まで行くが、迷い列車に乗らなかった。
そこで、航空機製作所主任のデューヴァルに、南京政府の特使秘書・諒香雲夫人に間違えられ、航空機買い入れの武器会社との交渉人になってしまう。
ホテルの食堂で、カステラン夫人に監視されている事に気づく。何とか誤解を解こうとするがチャンスがない。
航空機会社で売買予定の航空機(爆撃機)に乗せられてしまう。その後、フロヴィッキーが現われるが、彼は秘密機関員だった。
暗号について
* ボーイがカステラン夫人の器を陶器から磁器に変えた・・・磁器はChina、支那だ・・信子を支那人だと知らせたのか?
* 紅色のグラスにブドウを入れた・・・フランス空軍のマーク・・・・デューヴァルが航空関係だと知らせたのか?
* 群青のグラスに赤いカクテル・ビスケット・・・英国空軍?
* ホテルに届いた電報二通・・・一通は「数字の暗号」、もう一通は「Buy Another」とだけ書いてある。
* 届いた爆撃機の写真の余白に書かれた「暗号数字」
 ・・・カステラ夫人から暗号解読について手紙が(数字の暗号は示されていないが、解き方が書かれている)
   「Buy Another」が解読語、10文字で重複なし・・・換字暗号
* 何故間違えられたか?・・・・スーツケースの数字が「Lang Hong Yun」(諒香雲)の綴りに偶然符合していた。
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