日本の暗号小説
作者名 連城 三紀彦
作品名 敗北への凱旋   (綾辻・有栖川復刊セレクション)
初出:1983.11.5;講談社

発行日:2007.8.6
出版社:講談社
形式:新書
目次
序章        ある終戦
もう一つの序章 もう一つの終戦
1章         ある戦後
2章         もう一つの戦後
3章         ある戦中
4章         もう一つの戦中
5章         ある歴史
終章        ある一日
もう一つの終章 凱旋の日
ストーリーの概要
昭和20年8月15日夕、上空を飛ぶ一機の特攻機から、廃墟と化した東京の大地に夾竹桃の花が降り注いだ。
そして三年後のクリスマスイヴ、中国人女性・玲蘭が安宿で男を射殺し、さらに数日後彼の情婦も射殺した後、自ら海へと身を投げた……
痴情のもつれと見られた事件の背後には、恐るべき陰謀と愛の悲劇が隠されていた。

 ……それから20年以上を経た昭和4X年、歴史の陰に埋もれた人物を取り上げ続ける小説家・柚木桂作は、優れた才能を有しながら軍に身を投じ、戦争に翻弄された挙げ句に数奇な最期を遂げたピアニスト・寺田武史を小説に描こうとする。だが、調査をはじめた柚木の前に浮かび上がってきたのは……?


大戦を生き延びながら、出征先の中国から帰った男は、愛人の中国女に殺されるという不名誉な死、その男には、片腕が無かった…。
軍人の家に生まれ、ピアニストを志しながら、南方での激戦により片腕を失った悲劇の人物・寺田。
その寺田の生涯を追い小説を書くにつれ、柚木は彼が残した楽譜暗号の謎に迫っていく…。
暗号について
・ ピアニストであった寺田武史(津上と名前を変えて帰国)が楽譜や詩の中に忍ばせたメッセージ――暗号
・ この暗号、解説で米澤氏が指摘しているように「複雑かつ難解で、普通に解読することはほとんど不可能」な音楽暗号。
・ 殺害現場にあった「落葉」の詩の意味は?
・ 津上(寺田)の家から見つけた2枚の楽譜・・・・「九つの花の主題」と「SOS」
・ 寺田の従兵だった山田の右手に教え込んだ曲
・ 娘の愛鈴から送ってきた楽譜・・・・「ショパンの楽譜」と「寺田の遺品にあった楽譜」
・ これらの楽譜と音楽の知識、モール氏信号の知識が必要


発行日:1999.3.18
出版社:角川春樹事務所
形式:ハルキ文庫
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