日本の暗号小説
作者名 竹本 健治
作品名 匣の中の失楽
初出誌:幻影城:77.4~78.2
初出版:78.7:単行本
      83.12:講談社文庫

発行日:1991.11.5
出版社:講談社
形式:講談社NOVELS
目次
序章に代わる四つの光景
1章 
2章 
3章 
4章 
5章 
終章に代わる四つの光景
ストーリーの概要
 大学生を中心とした推理小説好きが集まって出来た若い男女の仲間たち。そのメンバーの一人であるナイルズこと片城成(なる)が実際のメンバーを登場人物に自作の推理小説を書き始めた時から、不可解な事件が続発する。
”中途半端な密室”の中で発見された屍体。”完全なる密室”から消えた生者? 
まるでナイルズの小説が予言であるかのように……。素人探偵たちの推理合戦が続く中、その後も”密室”は続出する……
最後の最後まで、殺人事件の解明が続き、真犯人、動機等が不明で、読者を引き込むが、評価の分かれる本であろう。
4大奇書の一つと言われる奇書なのか、単に知識の羅列の詰まらん本だったのか?

目次の細部
序章に代わる四つの光景
 1 霧の迷宮 2 黄昏れる街の底で 3 三劫 4 いかにして密室はつくられたか
1章 
 1 第1の屍体 2 密室ならぬ密室 3 靴と悪戯 4 理想的な殺人 5 白昼夢の目撃者 6 通り過ぎる影 7 非能率なアリバイ 8 鍵と風鈴 9 殺人者への刑冠 10 さかさまの殺人
2章 
 1 死者の講義 2 ブラック・ホールの中で 3 第四の扉 4 羽虫の正体 5 二者択一の問題 6 プルキニエ現象 7 仲のよくない共犯者 8 見えない棺桶 9 犯罪者の構造式 10 牙を剥く悪魔
3章 
 1 扉の陰の魔 2 推理競技の夕べ 3 愚者の指摘 4 歩き出す仮説 5 扉の向こうには 6 カタストロフィーの罠 7 殺人狂想曲 8 もうひとつの空席 9 五黄殺殺人事件 10 正反対の密室
4章 
 1 現実と架空の間 2 觔斗雲に乗って 3 おもちゃのある殺人 4 予定された不在 5 屍体のある殺人 6 死の手触り 7 不必要な密室 8 用意されていた方法 9 闇の傀儡師 10 架空に至る終結
5章 
 1 降三世の秘法 2 闇の中の対話 3 大き過ぎた死角 4 ユダの罪業 5 逆転された密室 6 ラプラスの悪魔 7 撫でてゆくのは風 8 遡行する謎解き 9 キングの不在 10 匣のなかの失楽
終章に代わる四つの光景
 1 九星と血液 2 青い炎 3 解決のない解決 4 不連続の闇
暗号について
仲間の影山が預けた手紙の中は、詩のような文句と奇妙な図案めいたものが書かれていた。
・欲望は下か。 徳宿す誰が、春めく百舌の、飽きられし知る。四波羅蜜敷き、並べて七曜、影擬きにす。
・図:八角円の中に文字が。しかしその文字は、普通使わない文字が多い。
両方とも、見事に解読するが、こじつけのようで、作者の意図が分からないと読者には解読は不可能に近い。特に図案の方は、解読された文字に至る方法がかなり無理がある。
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