日本の暗号小説

作者名 逢坂 剛
作品名 謀略のマジック     (「クリヴィツキー症候群」所収)
発行日:S62.1.25
出版社:新潮社
形式:四六版
目次
「なし」(短編)
ストーリーの概要
現代調査研究所の岡坂神策のところへ、香山城子が「第2次大戦中スペインが日本の為にアメリカでスパイ活動を行った」事実の調査依頼に来た。岡坂は、第2次大戦中の日米の外交記録やアメリカの暗号解読記録「マジック・サマリー」等から調査を進め、「ベラスコ」というスペイン人がそのスパイではないかと追求していく。暗号名「TO」を米解読機関は「東」と正しく解読しているが、マスコミは「戸」と誤解読してストーリーが展開していくのが面白い。
暗号について
米の「マジック・サマリー」、当時の外務省暗号の実態の概要、日の「大東亜戦争関係・館長符号扱来電綴」等、各種の暗号事例が出てきて面白い。暗号を解く小説ではないが、大戦中の暗号戦争の事実を巧く利用して展開する暗号小説だ。


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