日本の暗号小説
作者名 湯川 薫
作品名 イフからの手紙
発行日:2000.9.30
出版社:徳間書店
形式:TOKUMA NOVELS(新書)
目次
プロローグ 猫
1章 幽霊
2章 人形
3章 白羽
4章 時空
5章 聖天
6章 伝説
エピローグ 門
ストーリーの概要
 湯川幸四郎シリーズ。
 十文字葵がレッカー移動で世話になり、知り合った車大吉とデートの約束をして待ち合わせた湘南のホットドック屋。突然、大吉を襲ったふたつの影……大吉は崖から突き落とされた。
 が、気を失っていた葵が目を覚ますと、救急隊員は車大吉が最初から存在していなかったかのようなことをいう。しかも、実際にレッカー屋に問い合わせると、大吉は会社に戻っているという。訪ねてみると大吉は失踪していた。
 それから、一週間後、大吉からの手紙が届いた。葵は大吉を訪ねて九州の片田舎へと向かう。現地で待っていたのは、新たなる人の消失事件だった。
 学友の冷泉恭介が、講師の湯川幸四郎が九州の管野村へと向かうが…。
 村と村の争い、表と裏の家のトリック、菅原道真の末裔の争い等々、現実と非現実の狭間をつく不可解な展開。


 理系の話が結構出てくるので、理系に弱い人には理解しにくい面がある。
 筒井康隆氏の推薦文で「ヒロインを助けにお馴染みの探偵役たちが次々と山奥の村に集結するくだりなど圧巻」とあるが、来るのは冷泉と湯川だけで、最後の科学捜査班は警察なので探偵とはいいいがたい。
暗号について
暗号はきわめて単純明快。葵宛に来た2通の手紙の文章、一番上の字を横に読めば良い。
「暗号としては、あまりに初歩的なので、かえって、専門的知識があると気がつかないくらいだ。単に。分の頭の言葉を取ってくればいいんだから。」湯川幸四郎の文中言。
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