日本の暗号小説
作者名 篠田 節子
作品名 カノン
初出:1996.4;文藝春秋

発行日:1999.4.30
出版社:文藝春秋
形式:文庫
目次
「なし


ストーリーの概要
 学生時代の恋人が自殺する瞬間迄弾いていたバッハのカノン。そのテープを手にした夜から、音楽教師・瑞穂の周りで奇怪な事件がくり返し起こり、日常生活が軋み始める。
 失われた二十年の歳月を超えて託された彼の死のメッセージとは?
 幻の旋律は瑞穂を何処へ導くのか。「音」が紡ぎ出す異色ホラー長篇。
暗号について
* 瑞穂の学生時代の恋人・康臣が自殺。弟から「僕たちには遺書らいいものはない。こら、兄が残したものです。」とカセットテープを渡される。
 ・テープを回すと、音声ではなく音楽が。奇妙な旋律。バッハの曲にしてはおかしい。楽器はまぎれもなくヴァイオリンだ。
 ・テープは、逆回転で録音されていたのだ。順行に直してもらい聴くと「バッハの曲」だった。・・・・何故?
* 康臣の瑞穂に残した遺言・・・愛の言葉か・・・・一種の暗号での訴えだろう。
 ・康臣は、瑞穂の力を知っていた。楽譜がなくても正確な解釈に基きイメージを喚起できる。
 ・彼にとっての宝石だった。
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