日本の暗号小説
作者名 湯川 薫
作品名 虚数の眼
発行日:1999.9.30
出版社:徳間書店
形式:新書
目次
プロローグ 黒猫
第1章 心の影
第2章 暗号学校
第3章 倶楽部――第二の殺人
第4章 蒼ざめた馬
第5章 研究所――第四の殺人
第6章 存在しない空間
第7章 解かれる封印
第8章 追いつめられた狩人
第9章 起死回生
第10章 休暇
エピローグ ばんしゅう
付録:湯川幸四郎の現代暗号講義
ストーリーの概要
新橋駅から歩いて五分のおもちゃ屋で殺人があった。黒猫の縫いぐるみの中に隠された少年の死体、なぜか微笑んだ顔と紅い目をしていた。
そして、警視庁科学捜査班の班長木田務へのメールで知らされた第二の殺人予告。「ツァラトゥストラの下僕を捜せ」という犯人からのメールには、ご丁寧にも被害者の画像が添付されていた。被害者は茗渓大学の助教授、五月あきら。
木田の友人である非常勤講師湯川幸四郎の同僚だった。死亡推定時刻は午前一時前。しかし、木田に届いたメールは午後九時三十五分。三時間以上前に、まったく同じ姿をした遺体の映像がとどけられたのだ!?
湯川幸四郎は同じ大学の事件ということで、木田に協力を依頼されるが…。
暗号について
*犯人残したメモやメールに書かれた文の意味は?
  ・「たで食う虫も好きずき」、「ツァラトゥストラの下僕を捜せ」
*死人の目にレーザーで傷つけられた刻印の意味は?
*藤原定家の「百人一首」、「百人秀歌」に秘められた謎・・暗号は?」
*ポーの「黄金虫」、ドイルの「踊る人形」、乱歩の「二銭銅貨」の暗号解説
*最近の推理小説では、本格的な暗号小説はあまり見かけない。なぜか?
*現代暗号の特徴の解説。数学は小説には向かない。
*現代暗号の特性を利用して、随所に暗号が介在する。数学ではなく文章で上手く暗号の話題を取り入れ、暗号理論がわからなくては、謎が解けないように仕組んである。
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