日本の暗号小説
作者名 岡嶋 二人
作品名 焦茶色のパステル
発行日:昭和57年9月10日
出版社:講談社
形式:四六判


第28回江戸川乱歩賞
目次
「なし」
ストーリーの概要

 東北の牧場で、牧場長と競馬評論家の大友隆一が殺害され、さらにサラブレッドの母子、モンパレットとパステルも射殺されるという事件が起きる。パステルは、歴史に残る名馬ダイニリュウホウの仔であった。隆一との夫婦生活に限界を感じていた妻の香苗と、友人である競馬誌の記者芙美子は、事件の調査に乗り出すが…。

 本作のテーマは競馬である。競馬界にとって最重要な要素である血統、その血統と金・汚職。好成績を残した名馬ともなると、引退後は繁殖馬として引く手あまた、金になる動物である。

パステルの毛色が問題だということを暗示するような題名。一旦はパステルの血統に関する疑惑を否定しておき、祖父母の血統までさかのぼることで、再度疑惑を醸し出し、最後に血液検査の結果という“展開。
隆一の残した“これ、本当にパステルか?”という言葉の意味は何なのか?疑惑はパステルに集中し、ダイニリュウホウの問題が巧妙に隠されている。

暗号について
隆一がダイニリュウホウの血統詐称に気づき、遺伝子を調べる。
遺伝子型の表から、栗毛(ダイニリュウホウ)と青毛(モンパレット)という条件だけでは、栗毛・青毛・黒鹿毛のどれもあり得ることがわかるので、可能性を絞り込むためには両親の遺伝子型を特定する必要があるのです。

青毛のモンパレットが大文字の「C」を持たないので、大文字の「C」が二つ必要な鹿毛は生まれない。

即ち、この馬の毛色に関する遺伝子の分析が暗号解読に通じる。遺伝子に使用されるアルファベット(a,b,c、A、B、C)の組み合わせにより毛色が異なる。
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