日本の暗号小説
作者名  若松 英輔
作品名  『こころ』異聞 書かれなかった遺言
発行日:2019.6.21
出版社:岩波書店
形式:四六判
 目次
 小説誕生前夜

 沈黙する主人公
 「私」は、いつ語り始めたのか
 邂逅への衝動
 墓石に刻まれた暗号
 恐怖と畏怖
 罪と恋
 思想家の自信
 「将来」を感じる
 最初の手紙
 先生の故郷
 一点の燈火
 蝉の予告
 兄の叱責
 人生の暗示
 亡き者からの促し
 記憶を生きる
 花と愛
 聖なる愛

 直覚の人
 自分を破壊しつつ進む者
 求道者の恋
 道化の出現

 取り違えられた覚悟
 怠惰という裏切り
 黒い光
 空白の時間
 生の誇り
 庇護者の誤認
ストーリーの概要
 日本近代小説の中でも、多くの人に読まれている作品『こころ』ではあるが、人によって読み方はまったく異なるだろう。
 漱石がテキストの中にちりばめた様々なイメージを丹念に拾ってゆくと、思いもかけなかった謎が浮かび上がってくる。
 これまで誰も気がつかなかった、全く新しいテキストの読み解き。
暗号について
「墓石に刻まれた暗号」

・ 暗号が書かれているわけではない。墓碑銘が読めない、珍しいので、暗号に譬えたのだろう。
・例
 ・「安得烈」・・・「アンドレ」ではないか?と先生は言う。
 ・キリスト教徒は洗礼を受けると「霊名」というもう一つの名前を受ける。
  従って、霊名を知らないと、誰の墓か分からない

・ その不思議さを「暗号」ととらえている。
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