日本の暗号小説
作者名 奥泉 光
作品名 グランド・ミステリー
発行日:1998.3.25
出版社:角川書店
形式:四六判
目次
プロローグ
第1章 真珠湾
第2章 東京(1942)
第3章 ミッドウェー
第4章 東京(1943)
第5章 ソロモン
第6章 鎌倉
第7章 硫黄島
エピローグ
ストーリーの概要
昭和十六年十二月八日、真珠湾攻撃、日本軍が歴史的勝利を収めた直後、空母「蒼龍」に着艦した九九艦爆搭乗員、榊原大尉が操縦席で不可解な服毒死を遂げた。
伊号潜水艦先任将校、加多瀬大尉は、未亡人となった志津子の依頼を受けて、榊原の死の真相を追いはじめた。やがて榊原の行動から「空白の一週間」が浮かび上がった。
だが、謎を解く鍵を手にしたのも束の間、突然、志津子が姿を消した。正体不明の鎌倉の研究所。死を宣教する極右団体。未来予知の神秘的異能を持つ男。
加多瀬自身の脳裡に巣くう、砂に侵食されたヴェネチアの風景。運河の岩壁に刻まれたラテン語の文字は何を意味するのか?錯綜する謎の糸は加多瀬を時空を超えた迷宮へと導き、そして戦局はミッドウェーへと雪崩れ込んだ。
暗号について
第5章 ソロモン
Y 手作りの暗号
片瀬に妹・範子から手紙が届く。結婚が決まったので婚約式に出席して欲しいという手紙。追伸に「今度の封筒はいかが?紙の表だけではなく、裏地もなかなか素敵なんですのよ」とある。
このくどい文に片瀬は「裏を読め」と判断し、封筒の裏側を開いた。
・ 眼を凝らさなければ見えないほどの、ごく薄い鉛筆で書かれた文字
 「・・・肺病の二十面相曰く、グランドオダリスクは鎌倉の妙厳寺にあり その仲人のK大佐に会うべし・・・」
* 暗号というにはちょっと・・・・
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