日本の暗号小説
作者名 山田 風太郎

作品名 明治バベルの塔−万朝報暗号戦−
初出版:平成元年7月:新芸術社

発行日:1992.8.10
出版社:文芸春秋
形式:文春文庫
目次

「なし」(短編)
ストーリーの概要
涙香は、創刊した新聞「万朝報」の販売部数を伸ばすために懸賞をつけることにする。暗号(アナグラム)によるクイズを出し、3回分を解いたら賞金をもらえるようにする。そのうち某大臣の醜聞を出しに暗号文を出すが、その大臣の子息が芸者と心中する事件と重なる。涙香の代わりに幸徳秋水がクイズを出すがその解が・・・
暗号について
作者後口上より:これは一種の暗号小説だと思いますが、あるカタカナの一団を組みかえて、それだけで二種類の文章を作るという作業には苦労しました。しかもその二つの文章が、どちらも、この小説に意味のあるものでなければならないのです。(たとえば黒岩涙香の婦人が大友清子というのは事実であります。)作中、涙香に「まるで素手で空中から酸素と窒素をつかみ出すようなものだ」と言わせていますが、しかし、そういうバカバカしい苦労がまた面白くもあります。
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