日本の暗号小説
作者名 森村 誠一
作品名 ミッドウェイ
初出版:1994:文春文庫

発行日:平成12年12月25日
出版社:角川書店
形式:角川文庫
目次
プロローグ
艶麗な拒否 復讐受験 継続した転向
逆行する潮流 青春の聖域 過保護の手当て
最後の夜景 許されざる卒業 よみがえらざる夜景
瓜二つの女神 死を予期した詩 天への投身
要視察の裏切り 若者の義務 ぜいたくは素敵
幻影との交わり 美しい凶器 実体のない性媒
面目のための時間 操縦桿を握った鬼
私生児の勝利 播種された妻 晒された女神 
火矢の一本 誌装への転換 火のカーテン
浮かぶ溶鉱炉 免刑なき死刑台
国の破片 ただ一編の詩 終章
ストーリーの概要
昭和17年、太平洋に暗い戦雲が迫り来るなか、日米二人の青年は、自ら国家の命運を担い、空の戦士となった。だが、二人には共に愛を寄せる美しき女性がいた。ミッドウェイの空に交錯する非常の運命の糸。
終章において、著者は「我々がいま享受している平和は、あの大戦で死んだ無数の犠牲者の上に成り立っている。我々が個人の人生で自由に設定できる目標は、戦争目標の為に押しつぶされた犠牲者の数だけの目標の犠牲の上にあるのである。広島県江田島にある旧海軍兵学校に行った。構内の教育参考館の東郷元帥室正面の『海軍兵学校出身者霊銘牌』に刻まれた4千名を超える氏名は、彼らの夢の重さをものがったている」と記し、数名の遺書を紹介しつつ、「今日の日本の繁栄を想う時、若くして死んでいった彼らの無念を思わないわけにはいかない。」と述べている。史実に忠実な小説。
暗号について
開戦時の大使館の暗号が解読されていた事例、ミッドウェイ作戦の「MI」の意味を知るために図った米側の暗号解読の事例を記述。
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