日本の暗号小説
作者名 土屋 隆夫
作品名 人形が死んだ夜
初出版:2007.11;光文社

発行日:2010.5.20
出版社:光文社
形式:文庫
目次
第1章 
第2章 
第3章 
第4章 
第5章 
第6章 
第7章 
第8章 
第9章 
終章
(章名のみ)
ストーリーの概要
紗江の甥・俊は、小学生ながら天才的な絵を描き、この日も一人で石仏をスケッチしに行くが轢き逃げに遭い死亡。
最期を看取ってくれたという通報者の目撃談を聞くうち、紗江は疑惑を募らせてゆく。
そして榊祭りの夜、群集の中で惨劇は起こる。通報者が殺された。
轢き逃げ班も、通報者の殺害犯も捕まらないまま、時は過ぎ、担当の刑事は定年、認知症に罹る。

著者は、90歳でこの大作を書いたという。素晴らしいことではないか。
暗号について
* 引き殺された峻が、最後の残した言葉・・・「メガネのおとこ」
  但し、これは通報者が警察に証言した言葉であり真偽は? 峻は吃音なのだ。吃音者はマ行をしっかりとは発生しにくい。
  瀕死の時に、「メガネ」とはっきり言うのは不自然だ。
  明確な暗号ではないが、ダイイング・メッセージの一種とした。

* 書名「人形が死んだ夜」の意味・・・犯人を人形のように操り、最後に復讐する。

* 警察の隠語
 ・「デカ」:明治時代、刑事は目立たないように角袖を着ていた。「カクソデ」の「カ」と「デ」を逆さに読んだ。
  「ガサイレ」:捜索→サガス→サガ→ガサ→ガサに入る→ガサイレ
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