日本の暗号小説
作者名 大谷 羊太郎
経歴 1931年、大阪府東大阪市生まれ。慶応義塾大学文学部中退。
在学中プロミュージシャン。
主要な作品 1970:「殺意の演奏」:第16回江戸川乱歩賞受賞:作家に転進
「殺人予告状」、「悪の協奏曲」、「複合誘拐」、「三角形殺人事件」、「旋律の証言」
作品名 殺意の演奏
初出版:S45:講談社

発行日:S50.4.15
出版社:講談社
形式:講談社文庫


第16回江戸川乱歩賞
目次
プロローグ
序章 我が棺を飾るもの   第1章 暗合の深き淵に
第2章 愚者、目覚めたり   第3章 来訪者、西より来たる
第4章 罠と獲物と罠と    第5章 梯子状式思考法
第6章 輪舞する論理     第7章 ”虚構と現実”の詐術
第8章 神、そらにしろしめす
ストーリーの概要
芸能ショーの若手司会者・細井道夫が死体となって発見された。部屋は内鍵が下ろされた密室で死因はガス中毒。机上に遺書と見られる暗号日記が残されており、暗号を解読した捜査当局は、自殺と断定し、捜査を打ち切る。しかし、細井の弟の手により暗号日記が二重構成になっていることが分かり、、細いの知人・浅井が容疑者として浮かび上げる。
この本は、読者にとって、最後の解決が二通りあるといわれ、またある人は一つしかにと言う議論を巻き起こした。
暗号について
現場に残されていたトランプ札も暗号?細井の残した暗号日記は、当初単純な表音記号の暗号として処理。弟により、それが表音記号による二重暗号であることが分かる。
作品名 旋律の証言
初出版:S47.6:講談社

発行日:S58.11.25
出版社:集英社
形式:集英社文庫
目次
第1章 張り込み       第2章 謎の英文字
第3章 ハワイアンギター  第4章 過去の翳り
第5章 カピオラニ公園   第6章 同姓の二人
第7章 消えた犯人      第8章 暗号楽譜
第9章 接点の発見     第10章 真実を知る人
ストーリーの概要
須川が殺されたアパートの殺人現場に残された「ACEACE」の英文字。捜査に当たる中年刑事・水垣と貿易会社社長・松永がハワイアンが趣味でで知り合う。その松永が殺される。須川は旧姓・松永だと分かる。両者の関係は。松永社長の経営する社員、家族の関係は?
暗号について
謎の英文字も暗号? 生前、水垣と松永社長は暗号論議をする。「第3者に暗号だと見破られるようなものは価値がない。楽譜であれば、法則どおりになっており楽譜に忠実に演奏しても異常は感じられない。しかし特定の人には暗号文が伝わる。」それにヒントを得た息子が、父親の残した楽譜暗号を解き、事実を解明する。
作品名 複合誘拐
発行日:S55.3.30
出版社:光文社
形式:カッパ・ノベルズ
目次
第1章 脅迫電話       第2章 拉致のテクニック
第3章 緊急配備       第4章 人質消失
第5章 特殊犯班       第6章 橋上の身代金
第7章 秘密通信       第8章 スケッチ画の罠
第9章 闇の中の潜入者  第10章 最後の金策
第11章 廃屋の黒煙     第12章 容疑者一巡
第13章 真犯人
ストーリーの概要
テレビニュースのアシスタント役の女性司会者を公募し、最終審査に10人の美女が残った。及川興業の社長令嬢で21歳の女子大生、理絵もその一人だったが、出演直前に誘拐された! フリーのレポーター・田代は、彼女を乗せたと思われるトラックを追って、東北自動車道へ・・・。だが、追いついたトラックに理絵の姿はなかった! 誘拐した犯人の知らない間にその娘が別の犯人に誘拐されたのか?真犯人とも割れる人物が死体で発見される。
暗号について
誘拐された娘が、スケッチの裏紙にピンで犯人の情報を書く。それを警察は赤外線で判読。秘密インキと同じ発想。
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