日本の暗号小説
作者名 高村 薫
作品名 リヴィエラを撃て
発出版:平成4年10月;新潮社
発行日:H9.7.1
出版社:新潮社
形式:新潮文庫(た-53-4,5)


1993年度
日本推理作家協会賞
・日本冒険小説協会大賞
目次
なし

ストーリーの概要
1992年冬の東京。元IRAテロリスト、ジャック・モーガンが謎の死を遂げる。それが、全ての序曲だった―。
彼を衝き動かし、東京まで導いた白髪の東洋人スパイ『リヴィエラ』とは何者なのか?その秘密を巡り、CIAが、MI5が、MI6が暗闘を繰り広げる!

CIAの『伝書鳩』とともに、父の仇である『リヴィエラ』を追っていたジャック。
複雑怪奇な諜報機関の合従連衡。二重・三重スパイの暗躍。躍らされる者たち。味方は、敵は誰か。
亡命中国人が持ち出した重要書類とは?ジャック亡き後、全ての鍵を握るピアニスト・シンクレアは、万感の思いと、ある意図を込めて東京で演奏会を開く。運命の糸に操られるかのように、人々は東京に集結する。そして…。
日本の警視庁公安部の手島が後半謎解きに飛び回るが、最後の手島の人生が衝撃。


スケールの大きなスパイ小説。緻密な構成で国際諜報戦を活写し、舞台、登場人物の約9割が外国・外国人であるが、違和感なく読める。
暗号について
スパイが現実に使用すると思われる暗号、略号、隠語等が極自然に表現されている。
例:
・登場人物のコードネーム
 :エルキン、ギリアム、フィリス、伝書鳩、リヴィエラ、エレノア等
・仲間との行動の合図、待ち合わせの場所、隠れ場・隠し場の略号・隠語・印等
 ・左手をポケットに入れる:了解、紙屑から古新聞を拾う:よし行け
・手紙:ラテン語の聖書を使った暗号、ページ数と章番号、行数を表す数字
その他、ストーリーを追って読んでいると暗号について無意識になり、気がつかないものが多々ある。
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