日本の暗号小説
作者名 松岡 圭祐
作品名 千里眼 マジシャンの少女
初出:20033:千里眼のマジシャン

発行日:2004.4.1
出版社:小学館
形式:小学館文庫
目次
「なし」
ストーリーの概要
 千里眼のマジシャンの文庫化:書名を変更。300枚に及ぶ加筆修正。ストーリーの大きな流れは変わらないが、人物の設定が一部変更最新の時事ネタの盛り込み、エピソードの追加等。
 岬美由紀が活躍する千里眼シリーズに正式に組み入れ、臨床心理士・嵯峨敏也、天才少女マジシャン・里見沙希の3人が登場。
 休暇中の岬美由紀は吹雪で山頂に取り残された遭難者の救出に向かうが、現場に人影はなく雪崩に呑み込まれる。
 折りしも政府は都知事の提唱したカジノ構想を実現すべくお台場に巨大な施設を建設中だった。政府高官や警察官僚が招かれたオープニングセレモニーの日、数十人を超す武装勢力が施設を占拠。VIPを人質に400億円と原潜引渡しを政府に要求した。
 巨額の金が動くカジノ計画の裏に日本を震撼させる策謀が。
暗号について
* 精神科医なら知っている用語だが、一般の人にはその意味が不明である言葉の活用。

外部との連絡が取れない岬は、武装勢力に盗聴されるのを承知で、相談者の一人「土屋」に電話する。
内容:「フランチェスカ」、「すぐに先生に伝えて。チャイニーズ・パスタ。伊藤洪庵」
武装勢力は、盗聴するが、内容は理解できない。
土屋は、先生の嵯峨に伝える。

・ フランチェスカ : 一瞬で深い催眠状態に入るような後催眠暗示

・ チャイニーズ・パスタ : 禁酒法時代のアメリカの精神治療に関する用語
 * 犯罪者が精神を傷んでいる場合警察組織のトップ3人に責任があるように仕向けながら治療する。この事件は、警察のトップ3人は黒幕だと言う岬の主張

・ 伊藤洪庵 : 幕末の精神科医。「精神の病とは即ち荒波の中を漂う小船なり」の名言
 * 潮が満ちていて波の高い場所を探して上陸しろ」と告げている。
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