日本の暗号小説
作者名 木村 申二
作品名 シャーロック・ホームズ もう一つの読み方
発行日:S63.3.20
出版社:日本実業出版社
形式:四六判
目次
1 ホームズ物語とその時代
2 ホームズの業務知識
3 ホームズの思考力
4 ホームズの行動力
5 ホームズの性格と体力
6 ホームズの気分転換法
7 ホームズの人間的魅力
ストーリーの概要
 シャーロック・ホームズ物語は、長編4編、短編56編、計60編からなる小説集。
 トリックやプロットばかりでなく、社会派的な色合いも、スリルにとんだスピード感あふれる冒険的要素も含んでいる。

* ビジネスマン、特に管理者の観点から、シャーロック・ホームズの人間性を読んで見た。それが「もうひとつの」の意味である。
 その理由は、
 1 ビジネスマンは企業における「問題」を解決するのがその商売。ホームズも捜査を依頼された事件(問題)を解決するのがその商売。共通の基盤がある。
 2 教訓めいた格言、訳知り顔の比喩の連発が、ビジネスマンにとって教訓的
 3 筆者の体験を横軸に、ホームズ論を縦軸に経営学序説的なものを論議し、検証したい。
暗号について
2 ホームズの業務知識
 4 暗号のあらゆる形式
 「踊る人形」
 :私は暗号文の形式には慣れているし、それについては小論文の著述もありますが、その本には160種類の暗号記法を分類してあります。しかしこいつばかりはその私にもまったく新規なものでした。
 「恐怖の谷」
 :新聞の尋ね人欄に出るわけの分からない文句の裏を読むよりも容易に、鍵がなくても解ける暗号文が、世の中には沢山あるからさ。・・・・」
 :暗号解読の大変面白い分析過程の記述がある。
 「四つの署名」
 :面白い仕事はないものかな。不可解な難問か暗号でも持ってきて、本来の僕の気分にならせてくれないものかな」
 :ホームズが知的労働を好み、飽くことのない知的好奇心のかたまりであることを良く表現している。
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