日本の暗号小説
作者名 清涼院 流水
作品名 ジョーカー 旧約探偵神話  :(改題) ジョーカー・清、ジョーカー・涼
発行日:1997.1.5
出版社:講談社
形式:新書


2000.4.15
文庫化に当たり、清・涼の2分冊化し、改題(上・下)
目次(文庫版)
序章 煩雑なる序幕
第1章 任地は幻影城
第2章 夜想曲の調べ
第3章 謎めいた探偵
第4章 魔境の四重殺
(以上「清」(上巻)、以下「涼」(下巻)
第4章 魔境の四重殺(承前)
第5章 永夜破鏡の嘆
終章 魅された閉幕
最序章 彰顕した犯人
最終章 六夢のち終幕
幻影章 流水殺害事件(文庫:清涼なる流水)
*新書版には目次はない。内容から記した。
  
ストーリーの概要
すべてのミステリの総決算・・・。究極の連続不可能犯罪を企む天才犯罪者が、陸の孤島で「幻影城殺人事件」を演出する。
作家・江戸川乱歩と同じ本名を持つ富豪が、生涯を賭して築いた幻影城。美しい湖の小島に浮かぶ紅の城は、様々な趣向が凝らされた「異形の館」である。
推理作家たちが秘境を訪れる。老いた探偵が惨劇に引き寄せられた時は、部隊は整い、物語は始まる。
作家の一人が執筆する推理小説が、現実世界を侵蝕し、虚構が世界を包む。虚無の深淵に在る闇の水脈から惨劇が生じ、空前の事件が幕をあげる。
装飾的な不可能犯罪が繰り返される。屍は日を追うごとに増えていく。推理小説のありとあらゆる構成要素をすべて制覇すべく犯行を続ける「犯人」・・・・

「作中作の推理小説の構成要素30項」
1 不可解な謎(奇想) 2 連続殺人 3 遠隔殺人 4 密室 5 暗号 6 手記(遺書、日記など) 7 見立て 8 首切り 9 作中作 10 不在証明(アリバイ工作) 11 屍体装飾 12 屍体交換(顔のない屍体、入れ替わり) 13 アナグラム(欧文、和文) 14 殺人予告状 15 意外な犯人 16 意外な動機 17 意外な人間関係 18 ミッシング・リンク 19 ミスディレクション 20 ダイイング・メッセージ 21特殊トリック(氷、鏡など) 22 物理トリック 23 叙述トリック 24 人物トリック(性別、多重) 25 動物トリック 26 名探偵 27 呼称のある犯人 28 双子 29 色覚障害者 30 結末の逆転劇(ダミーの犯人)

* 著者は「コズミック」と「ジョーカー」はシリーズなので両方読むことを薦めている。文庫版で読む場合、「コズミック流」→「ジョーカー清」→「ジョーカー涼」→「コズミック水」の巡で読むと、ある仕掛けが浮かび上がるという。


*良くこれだけのトリック、言葉遊びを考え付くものだ!!
暗号について
* 数箇所に「アナグラム」
   巧妙な二重構造を持つアナグラム
   小栗虫太郎の「黒死館殺人事件」を上手く活用している。
* ダイイング・メッセージ「VI」の謎
* 「99個」の数字が書かれた紙切れ・・・暗号解読は可能か
 ・ 龍宮城之助:暗号解読の37の基本パターンに該当しない。従って意味がない。
 ・ 九十九十九:犯人の名前と動機を示したもの。
   ・ 小見出しの各文字の何番目を読むかを示す。
* ソネット(抒情詩の1種):各行の頭文字を読むと。
* 各章の章題の「頭」を拾うと。
* 2進法と10進法の変換の活用
* 作中作の後の章の小見出しの部分からは・・・
* 幾つかの言葉遊び的な表現
 ・ 源氏物語の巻名が随所に含まれている。

後半部分に、暗号を十分楽しめるトリック満載。こんなところに暗号が、隠された言葉・意味がある・・・。
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