作品名 |
太閤の復活祭 |
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発行日:2001.10.8
出版社:角川春樹事務所
形式:ハルキノベルス(新書) |
目次
プロローグ
第1部 7月2日〜7月10日
序章 噂
第2章 秘密指令
第3章 心に刃を
第2部 7月11日〜7月15日
第4章 女人蔵
第5章 魔術師たちの宴
第6章 激闘剣山
第7章 反逆児
第3部 7月15日〜17日
第8章 闇に智謀あり
第9章 奇策
第10章 太閤の復活祭
第11章 秘密会議
最終章 逆転
エピローグ
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ストーリーの概要 |
太閤・豊臣秀吉がこの世から消え、二年の月日が経ち、ある噂が日本中に広まっていた。
太閤秀吉が復活するという意味が込められた手まり唄
『天下分け目の大戦。太閤殿下がよみがえる。辞世の歌に聞きなされ。日本がくつがえる…』
いったい誰が、何の為に流布したものなのか?
秀吉が生き返るという噂は、徳川家康と豊臣家に別れ争っていた戦国武将達を驚かせ、混乱させるには充分なものであった。
この唄から、秀吉が残した辞世の句、『つゆとおち つゆときへにし わかみかな なにわのことも ゆめの又ゆめ』には、秀吉復活の謎が込められていると考えられた。
徳川家康、伊達政宗、石田三成、堺納屋衆、藤堂高虎など夫々、その謎を解くために忍びや暗号師を使い真相究明に向かう。
かつて秀吉に切腹を命じられ死んだはずの茶人千利休が実は四国の剣山に生きており、その秀吉辞世の句に隠された秘密に利休が関わっている事が判明し、徳川方、豊臣方、伊達方の密命を帯びた忍びが戦い、利休を争奪する。
利休を守護する桐の葉と呼ばれる忍者・魔術者集団が待ちかまえる四国へ、太閤復活を望む者、望まない者達が派遣した工作員が上陸し、激しい攻防戦を繰り広げる。
蛇足:時代小説と思って読むと混乱する。暗号解読を成立させるためにかなり作為している。新書で680ページあり、本は重く、ページが開きにくい。上下巻に分けてもらいたかった。
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暗号について |
暗号の解読はこじつけに近い印象。
しかし、既成の「辞世の句」を、旨く解釈し、物語を展開する技は凄い。一種類の解釈であればたいしたことはないが、数種類の解読法、解読結果を示し、今までの小説にはない2重3重4重の多重解釈を重ねる凄まじさ。
更に最後にどんでん返しを持ってくるのは暗号ミステリの傑作と認めても良いかと思う。
著者のホームページを参考にされると良い : 「太閤の復活祭」 |