日本の暗号小説
作者名 関口 甫四郎
作品名 鉄道回文殺人事件
発行日:S62.6.25
出版社:栄光出版社
形式:新書(エイコー・ノブルズ)
目次
プロローグ
捜索旅行
殺人者の影
あばかれた虚像
六枚の写真
回文パズル
恋する失踪者
古い日記
二重の暗号文
消えた容疑者
三重の暗号文
真相の構築
回文告知
呪われた血
エピローグ
ストーリーの概要
1年前に起きた沖紀子の不審な事故死に続いて、友人の章子と昌子も消息を絶った。
ある日、浅田萌子のもとに、失踪した章子から旅先の場所を示す、6枚の写真が送られてきた。その場所を尋ねた萌子は、奈良の浄瑠璃寺でトラベルライターの天童一馬と出会う。
推理を求める天童は、6枚の写真から駅名を綴った回文の存在に気づいた。
章子が写真に託したメッセージと、その裏に隠された謎とは何か・・・・・。
暗号について
送られてきた6枚の写真は、投函場所が駅の所在地に関係している。唯一の例外は、最後に送られてきた「当尾」からの写真。
・「小野」、「鯉川」、「鵜苫」、「杵築」、「生駒」、「当尾」
・回文:
 「オノ」、「コイカワ」、「ウトマ」、「キツキ」、「イコマ」
「トウノオ・・・トウノを置き替え」
 →「ワカ」が不足・・・紀子の殺害場所の「奥の新和歌浦」から「ワカ」を取る。
 →「ワカ」、「イコマ」、「トウノオ」、「キツキ」、「オノ」、「ウトマ」「コイカワ」の順に並べると回文になる。
 →電文のスタイル・・・文字数を少なくするために固有名詞は可能な限り省略する。
 →「若井駒(子)と宇野、沖突き、小(田嶋)、ノート、マコ遺(体)、川」
二重暗号
 「初めと終りの(ワ)を除く」→「一次づつ飛ばして読む」
 →「カコ、トノ、キキ、ノト、コカ」
 →「カコ・・・加古川、トノ・・・殿田、キキ・・・木岐、ノト・・・能取、コカ・・・粉河」・・・・国鉄駅名
 →遺体の隠し場所を示す・・・地図でプロット・・・三角形の中
三重暗号
 「カコ、トノ、キキ、ノト、コカ」に、もう一つの意味が
 →「カゴトノキ、キノト、コカ」・・・「おばの書いた日記(かごとの記)、キノト(乙)、コカ(古歌)」
 →乙巳(昭和40年)の日記に秘密が。

*ちょっと苦しい暗号だと思われるが、著者の苦労が推察できる。
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