日本の暗号小説
作者名 帚木 蓬生
作品名 逃亡
初出:1997.5;新潮社

発行日:H12.8.1
出版社:新潮社
形式:文庫

柴田錬三郎賞受賞
目次
「なし」

ストーリーの概要
 1945年8月15日、日本敗戦。国内外の日本人全ての運命が大きく変わろうとしていた――。
 香港で諜報活動に従事していた憲兵隊の守田軍曹は、戦後次第に反日感情を増す香港に身の危険を感じ、離隊を決意する。本名も身分も隠し、憲兵狩りに怯えつつ、命からがらの帰国。しかし彼を待っていたのは「戦犯」の烙印だった……。
 敗戦とともに、お国のための「任務」は「犯罪行為」とされた。国家による戦犯追及。妻子とともに過ごす心安らかな日々も長くは続かなかった。
 守田はふたたび逃亡生活を余儀なくされる。いったい自分は何のために戦ってきたのか。自分は国に裏切られたのか。
 一方、男の脳裏からは、香港憲兵隊時代に英国民間人を拷問、死に至らしめた忌まわしい記憶が片時も離れることはなかったが……。

暗号について
* 藍衣社の連絡方法
 ・郵便・・・葉書を割って、中に文字を書く。切手を少なく貼って必着を狙う。
 ・無電台・・・定期的な発信電波を捕捉:呼出符号、更新時間、暗号
 ・特殊インクの使用
 ・スパイを電話局に勤務させる
* 捕獲した西安号から暗号表を発見
* 探知側の無電の能力、探知法
 ・暗号電報を傍受するが解読できず
 ・捜索した家のタンスの裏から無線機と暗号表を発見
* 占領した香港の地名、道路名の変更
* 逃亡中の仲間との合言葉
* 香港の英軍による諜報活動時の連絡法
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