日本の暗号小説
作者名 小酒井 不木
作品名 闘争    (「日本探偵小説全集1」所収)
初出:新青年;S48.5

発行日:1984.12.2
出版社:東京創元社
形式:文庫
目次
なし 
ストーリーの概要
毛利先生と狩尾博士は、日本精神病学界の双璧である。その二人が、僅か1ヶ月あまりのうちに相次いで病死する。
今から1ヶ月半ほど前に主要な新聞の3行広告欄に現れた不思議な広告。
先生の弟子が,K君に語る毛利先生に関する秘密の話。
郊外に住む若き実業家・北沢の自殺の1件。鑑定をめぐる争い。
残された遺書・・・本人の自筆ではあるが、本人の自作の文章ではなく、先年自殺をした青年文学者の「或る旧友へ送る手記」の最初の1節を写したもの。
警察に来た投書・・・「北沢の死因に怪しい点がある」
未亡人と若き小説家の愛人・・・自殺したピストルの所持者は?
毛利先生が、その謎解きをし、その結果・・・・

* 本書には、甲賀三郎の「琥珀のパイプ」も収録されている。
暗号について
* 3行広告「PMbtDK]の意味?
 ・ これは出した「毛利先生」当人と競争相手の「狩尾博士」にしか理解できない暗号では?
  英文の各単語の最初の1字づつをとったもの。・・作中では、最後に暗号でもなんでもないと表現はしている。が、読者としては暗号と思い、読むであろう。

* 遺書の中の暗号
 「或る旧友へ送る手記」が、遺書に書かれているが、よく見ると、ところどころに、棒なり点なりの二重な、即ち一度書いた上をまた一度とめた文字にあることに気がつくだろう。そこに目をつけて、その文字を拾うと・・・・
 しかし、本には、その部分に何の印もない。読者にはわからない。・・・ちょっとアンフェアでは?
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