日本の暗号小説
作者名 逢坂 剛
作品名 遠ざかる祖国

初出:2000.4~2001.4
学芸新聞社配信、高知新聞他7新聞連載
2001.12:講談社

発行日:2005.7.15
出版社:講談社
形式:文庫
目次
「なし」
* 上巻
* 下巻

ストーリーの概要
 一九四一年、マドリード。日系ペルー人宝石商として社交界にも出入りする北都昭平は、陸軍参謀本部の密命を帯びたスパイだった。
 日米開戦の阻止に動く大物日本公使、日本の暗号の解読疑惑、ナチス内部の暗闘…。
 「日本が真珠湾奇襲」奇妙な噂がヨーロッパを駆けめぐった。熾烈な諜報戦の戦場スペイン。
 互いに正体を疑いながらも、北都は、イギリス秘密情報部のスパイ・ヴァジニアと惹かれあい、日米開戦の回避に奔走するが…。
 中立国ゆえに各国スパイの暗躍の場となったスペイン・マドリードで、枢軸国側と連合国側とに分れ、愛し合ってしまった男と女。
 現代史の裏面を織り交ぜながら、第二次世界大戦を圧倒的迫力で語る。
暗号について
 第2字世界大戦初期、特に日米間の外交交渉における暗号解読や、ドイツのエニグマ暗号の解読等についての事実を巧妙に織り交ぜている。
1 上巻
 * イギリスにおけるエニグマ暗号の解読
  ・ポーランドが試作機を完成、イギリスへ提供、1940.5.21、ドイツ空軍のエニグマ暗号を解読。コロッサスの成果
  ・コヴェントリ事案
 * 北都が本国との間の暗号電報の実施要領、北斗の暗号名
 * 米は日本の外交暗号を解読、駐独大使・大島の日本への報告電報からドイツ情報を入手
 * どんな暗号でも人間が作ったものであるからには、解読は可能
 * 二重スパイの暗号・・・隠しインク、暗号用のコードブック
 * ドイツによるマイクロドット技術の開発
 * エニグマの解読情報は、ウルトラと呼ばれる前は、「ボニファス」と呼ばれていた。
2 下巻
 * ウルトラ情報のうち、アブヴェア関連の解読情報を「ISOS」と呼ぶ。
 * 英の暗号解読組織と情報組織の連携
 * 英米による外交暗号の解読に関する情報入手とその取り扱い
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