日本の暗号小説
作者名 斎藤 栄
作品名 運命の死角
発行日:H5.6.20
出版社:祥伝社
形式:文庫(ノン・ポシェット)
目次
プロローグ
第1章 誘拐トリック
第2章 発狂への驀進
第3章 学習塾の殺人
第4章 飛翔する宝石
第5章 風蓮湖の美女
第6章 推理また推理
第7章 流れ糸が飛ぶ
第8章 三羽の白鳥達
第9章 寺紋の大秘密
ストーリーの概要
「妹は本当に病死だったのか?」永松正一は、戦時下の学童集団疎開先で突然死んだ妹の謎を追い始めた。
手掛かりは一つ。遺品の着物の襟に隠された暗号文から読み取れた、三人の同級生の名だけだった。
勇躍、永塚が三人に面会を求めた矢先、「てんちゅう」の血文字とともに一人が、ついで残る二人も殺害された。
暗号について
死んだ妹の遺品の最大のものは、当時、美代子が寝るとき着ていた木綿の着物。正一は久しぶりに広げてみた。
母が綺麗に洗っておいた。襟のところに指が触れると固いものが。その部分を調べると白いものが。細く巻いた紙だった。
母が気がつかずに丸洗いしたために、一部が解けるようになくなっていた。
紙を広げると子供の悪戯書きのような棒が並んでいる。

正一は「あ」と思い当たった。・・・・「これは手旗信号では似ないか・・・」
美代子は、海洋女子団に入っていた。そこで和文式手旗信号の訓練が行われていた。
所所が、虫食いのようになって、不鮮明の所があるが、およそ、次のようになる。

「レマ○タ。ホカニ○ホンタ○、ヒロアキ○ヒサマツ・・・・・」

これは美代子の遺書ではないか?ここから正一の謎解きが始る。
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