作品名 ヒエログリフ解読史 著者名 ジョン・レイ (John Ray) (訳:田口 未和) 発行日:2008.1.031
出版社:原書房
形式:四六判目次
はじめに
第1章 薄れゆく光
第2章 英仏の戦い
第3章 科学者トーマス・ヤング
第4章 芸術家ジャン=フランソワ・シャンポリオン
第5章 よみがえる古代エジプト
古代文字解読の基本
第6章 戻ってきた光
第7章 シャンポリオンの後継者たち
第8章 石に刻まれた言葉
第9章 石は誰のものか?
ロゼッタストーンの碑文
ストーリーの概要 古代エジプトの遺産ロゼッタストーンは、どのように発見され解読されたか。
発見の様子、碑文解読を試みた二人の天才、トーマス・ヤングとフランソワ・シャンポリオン。英仏二大国の争いに翻弄された古代遺産の数奇な運命など、ロゼッタストーン発見と解読のすべてを描いたロゼッタストーン解読史の最良の入門書!
古代文字解読の基本、碑文・日本語訳収載。暗号について 簡単に読めない古代の文字、不思議な形をした文字は、まさに暗号解読である。
古代エジプト語およびその後継者となったコプト語は、かつて4700年にわたって使われていたが、その後1千年の断絶を経て、19世紀に解読されることになった。解読のきっかけとなったのは、ナポレオンが率いた遠征軍がナイル・デルタの要塞で発見した石碑の半片であった。
ロゼッタストーンと通称されるこの石には、「神聖文字」であるヒエログリフと、それを崩した形のデモティク(民衆文字)とギリシャ文字が書かれていた。
ヒエログリフは古代エジプトの象形文字で、石に深く刻み込まれた太陽や鳥、動物の絵文字から出来ている。
ヒエログリフは単純な絵文字ではない。絵に見えても音だけを表す文字や単語の種類を示す読まない文字も含まれているため、非常に複雑な暗号のようであった。
その解読に成功したフランス人シャンポリオンは、並々ならぬ熱情を持つ天才であった。彼は漢字やコプト語も学んで、解読に役立てた。先駆者であるイギリス人トーマス・ヤングの功績なくしてこの解読はない。
解読をめぐって英仏の争いや学者たちの競争が続いた。この不利を取り巻く人々は互いに利害を持ちどちらかを支援した。
今日までも、シャンポリオンとヤングの評価をめぐって、英仏の論争があるという。その経緯も生き生きと描かれている。