歴史暗号
[シ行 作品]
作品名 ジュール・ヴェルヌの暗号
著者名 ミシェル・ラミ   (Michel Lamy)    (訳:高尾 謙史)
発行日:1997.12.23
出版社:工作舎
形式:四六判
目次
第1部 秘儀伝授者ジュール・ヴェルヌ フリーメーソンに奉仕する作品
第2部 ジュール・ヴェルヌとレンヌ = ル = シャトーの王家の宝
第3部 ジュール・ヴェルヌと薔薇十字団の秘密
第4部 昔トゥーレに王がいた
第5部 黄金の砂から黄金のNへ

ストーリーの概要

ヴェルヌが『地底旅行』『海底二万里』『八十日間世界一周』等の冒険小説に巧妙に仕掛けた言葉遊びや隠語術を解読すると、レンヌ=ル=シャトーの謎を解く鍵や秘密結社との危険な関係が浮上する。
ヴェルヌとは何者なのか?


貧乏神父が金持ちになったという陳腐な事実と、その原因を説明するための壮大な伝説群・史実群とを総称してレンヌ=ル=シャトー事件と呼ぶならば、本書の第一の主題は、ヴェルヌがレンヌ=ル=シャトー事件にかなり深く通じていたという事実を明かすこと、そしてレンヌ=ル=シャトーに関する情報が「驚異の旅」シリーズのさまざまな作品の中にどのように埋めこまれているのかを示すことである。……(訳者あとがきより)

ヴェルヌの著書、“レンヌ=ル=シャトーの謎”と、ルルーやルブランの作品を、言葉のあや、歴史の暗合等と強引に結びている感じがする。

例えば、ヴェルヌとルルーは共通のバラ十字系の秘密結社に所属していた、ルブランが名づけた“アルセーヌ・ルパン”は“Arsène”( アルセーヌ ) と “à Ren(n)es”( レンヌに )のアナグラムである。また、「綱渡りのドロテ」や「バール・イ・ヴァ荘」にも、“レンヌ=ル=シャトーの謎と地理”に沢山の共通点が見受けられる。

その主張の真偽は別にして、この本を読むには、世界史特に西欧・中東等の歴史、キリスト教に関する知識、関連する書著の内容等についてある程度理解していないと分かり難い。

目次の細部
第1部 秘儀伝授者ジュール・ヴェルヌ フリーメーソンに奉仕する作品
Ⅰ ヴェルヌの暗号あるいは「謎の見本市」
 ジュール・ヴェルヌの謎、 明かすわけにいかなかった秘密、 トロバール・クルスと鳥の言語、 いたずら好き、言葉遊び好き
 昔から確立している隠語術、 ヴェルヌ「方式」、 注意せよ! 言葉遊びにはもう一つ別の遊びが隠されている…
Ⅱ 宝は円の中にある
 『ジャンガダ』、ヴェルヌの暗号小説の原型、 ヴェルヌの全作品は暗号で書かれた巨大なメッセージである、 ウロボロスの蛇と円環の強迫観念、 宝は円の中にある、 ゲームの規則を知るだけでよい、 それでは検討を始めよう!
Ⅲ フリーメーソン会員ジュール・ヴェルヌ
 ヴェルヌとジュール・ダン氏、 地球の中心へのイニシエーションの旅、 『黒いインド』、 アバーフォイルと神父の小説、地球ノ内部ヲ訪レヨ、ソシテ誤リヲ修正セヨ、サレバ汝隠サレシ石ヲ見イダサン、 あるいは『黒いインド』の神秘的探求、 『黒いインド』と『魔笛』:二つのフリーメーソン作品、 ヴェルヌとスコットランド・フリーメーソン

第2部 ジュール・ヴェルヌとレンヌ = ル = シャトーの王家の宝
Ⅰ ソニエール神父の宝
 ベランジェ・ソニエール、 最初の宝の発見、 謎の墓石、 降って湧いた財産、 ベランジェ・ソニエールの黄金はどこから出てきたか、 ソロモン神殿の黄金、 クレキエの謎と七枝燭台、 メロヴィスの子孫、 人もし我にシオンを語りなば、 偽物と偽物使用法、 『我アルカディアにあり』あるいは変造された墓石の謎、 ブデ神父のアルス・プニカとレンヌ = レ = バンのケルト環状列石
Ⅱ 『クロヴィス・ダルダントール』あるいはレンヌ = ル = シャトーの秘密
 山の名前を持つ奇妙な船乗りについて知ることのできる場所、 クロヴィス・ダルダントールとメロヴィング王朝の黄金、あるいは宝の鍵、 名前の向こう側、あるいは言葉の力、 マジョルカ島の秘密、 オラン、黄金の手掛かり、 円環状の旅、 どう考えても塩にまつわる話が問題となっている、 ニコラ・プッサンとパクトロス川、 奪いとられるのを待っている宝、 そしてもしカタリ派が……、 ……聖杯をビュガラッシュ山に隠したとすれば、 聖杯と永遠の生命の塩
Ⅲ ヴェルヌとブデ神父の秘密
 薔薇、十字、レンヌ = ル = シャトーの「大いなる建築家」、 ジョルジュ・サンドと悦ばしき耕作者、 アクセル、 十字架の徴の下に、あるいは天使たちの秘密、 ヤコブと浅瀬の守護天使、 グノモンと穴の徴、 歌姫とハプスブルク家

第3部 ジュール・ヴェルヌと薔薇十字団の秘密
Ⅰ ヴェルヌと薔薇十字団
 アナトール・フランスとサン = シュルピス教会の天使、 アナトール・フランスとガバリス伯爵、 19世紀の薔薇十字団、 薔薇十字団員の世界一周、 ガストン・ルルーと『神秘の王』、 『綱渡りのドロテ』、 薪割り職人団とカルボナリ党
 ヴェルヌとアルセーヌ・リュパンの秘密
 『カリオストロ伯爵夫人』とレンヌ = ル = シャトーの謎、 黄金の鍵を持つ男アルセーヌ・リュパン、 ここにもエマ・カルヴェの影がある、 奇厳城の秘密と歴代のフランス国王の財宝、 アンティフェール船長とアルセーヌ・リュパンの財宝
 ヴェルヌと黄金の夜明け団
 黄金の夜明け団、 ドラキュラあるいは血の道、 ドラゴンと、魔術による不死、 カアルパチアの城にドラキュラの足跡を追うヴェルヌ、 不死の物語、 マティアス・サンドルフと血まみれの伯爵夫人
 ヴェルヌと空洞の地球
 『緑の光線』の秘密、 薔薇十字団ブルワー・リットン、 ヴェルヌと地球の中心への旅、 空洞の地球、 「世界の王」と黒い力、 空洞の地球への入口レンヌ = ル = シャトー

第4部 昔トゥーレに王がいた
 ヴェルヌとバヴァリア啓明結社
 見たところ一貫性のない政治思想、 ヴェルヌあるいは貴族的無政府主義、 スパルタクスと奴隷たち、 バヴァリア啓明結社の精神的後継者ジュール・ヴェルヌ?、 バヴァリア啓明結社とボヘミアの旅
 霧の中の杯
 霧の中の天使の爪、 『ポルフィルスの夢』、 Dei Mater あるいは紋章言語、 そして、徳利明神を飲め、 クロス・パッティの陰で、聖ジルの徴の下に、 おお、デメテルよ、子馬の母よ、黄金のありかを教えたまえ、 P・S、 天使の徴とアレクサンドル・デュマの秘密、 霧の中のナイチンゲール、あるいは『80日間世界一周』の秘密、 バヴァリア啓明結社の陰で、 『明らかにされた謎』
Ⅲ 夜と霧
 ルドルフ・フォン・ゼボッテンドルフ、薔薇十字団からトゥーレ協会へ、 霧の中の黄金の杯、 極あるところ、緑児見いださん

第5部 黄金の砂から黄金のNへ
 ネモ船長の秘密
 黒い天使、 夜に血を少々、 復讐者ネモ、 黄金の砂から黄金のNへ
 神と向き合うヴェルヌ
 襲撃事件、 メランコリアの黒い太陽、 不死への旅立ち、 我アルカディアにあり

暗号について
キリスト教にまつわる歴史の謎、特に「レンウ・ル・シャトー」について、より深い謎解きを求めるとすれば、歴史暗号の解読として面白い。しかし、前提となる知識がないと理解しづらい。
日本語に翻訳したものでは、暗号として捉える説についてよくわからない面が多々ある。
しかし、よく調べたものだと感心する。
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