暗号理論
[ホ行 作品]
作品名 防諜科学
著者名 松本 頴樹
発行日:S15.2.2
出版社:モダン日本社
形式:四六判(ソフト)
目次
・国家総力戦と間諜         ・間諜科学
・戦争と宣伝と間諜         ・独逸の間諜工作
・米国海軍の間諜政索       ・ソ連邦のゲ・ペ・ウ
・日露戦争と間諜           ・巴里国際間諜団
・全欧を飛び回る女間諜      ・独逸海軍の秘密
・孫子の間諜論            ・米国の機密室
・坊主になったユダヤ人間諜   ・ユダヤ人と間諜
・ソ連邦の軍事間諜        ・独逸の女間諜
・女性と間諜             ・わが防諜法

概要
(自序から抜粋)
現在各国はともに徹底的に防諜工作を取っているが、日本はどうかというと、まだまだ手ぬるい感じが露骨にするのである。
全く日本人ほどすぐ他人を信じ、腹のそこまで割ってみせる国民はいない。これは日本人の世界的長所であるが、しかし、敵国の間諜にとってこれほどありがたいことはない。これを国家的立場から見れば、こんな恐ろしいことはない。
支那事変において、わが果敢なる空襲が、ほとんど蒋政府に通報されていたという事実を諸君が知ったならば、戦場においてさえも間諜網がいかに完全に張り巡らされているかが分かるであろう。軍規の厳正なることわが軍は世界にその比を見ないにもかかわらず、蒋政府のものどもが知るということは、第3国のあるものが内通しているからである。
日本はいま、各国の間諜に取り巻かれているといっても過言ではない。国民はこの厳然たる事実をはっきり認識して、進んで防諜の実を挙げて欲しい。政府のいかなる工作よりも、国民の自発的工作のほうがどれほど効果的であるかわからないのである。
間諜について、各国の間諜工作とその歴史、間諜科学とその実際を纏め、間諜に関する知識が少しでも国民の間に普及されればと思い稿を起こした。
*約400頁、間諜に関する原則的事項と当時までの事例が盛り沢山記述されている。

(戦前書かれたものであるが、趣旨は今「日本のインテリジェンスのあり方」に問われているものと同等と思える。)
暗号について
*間諜に関する暗号が処々に出てくる。
*「間諜科学」の細目は、「間諜の通信方法」、「暗号の解読」、「秘密インキ」であり、正に当時の暗号理論の基本が記述されている。
*「米国の機密室」の細目は、「ブラック・チェンバを暴露したヤードリ」、「ブラック・チェンバの創設」、「日本の暗号電報」、「ブラック・チェンバの解散」である。
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