暗号に関する殆どの理論書の基本(基礎)に出てくる、回文、沓冠、いろは歌等々、文学に隠された面白い題材集。恐らく、その種の例として載っているものは、この本を参照していると思われる。
著者が約50年間集めた和漢洋の題材を系統的に纏めた本。
*まえがきから
「古事類苑の編纂に従事し、和漢の群書を渉猟する中に、野馬臺詩や山形詩、さては藤原為兼の木綿襷、蘇若蘭の図詩などが目に入って興味は益々深くなった。
文学作品は読んで楽しむのもあるし、謡うのを聞いて楽しむのもあるが、目で見なければ神髄に触れないという種類のものもあることを感じ、それに関する作品を集めてみようと思い立ち、見るに従い落ち葉を拾うように、一つ一つ拾っていくうちに、いつしか和漢洋の材料が相当集まり、同じような趣味が世界の民族に共通しているように思われてきて、感興はいやがうえにも高まった。」
目次の細部
1 いろは
(1) いろは歌 (2) あめ・つち・ほし・そら (3) 君臣歌 (4) つの文字 (5) 諸家の作 (6) 國音の歌
2 隠題
(1) 物名 (2)折句 ・冠折句 ・沓冠折句 ・毎句折句 ・毎句沓冠折句
3 野馬臺詩
4 山形詩
5 回文
6 八重襷
(1) 簡単なもの (2) 複雑なもの
7 雑類
(1) 文字鎖 ・節會文字鎖 ・源氏文字鎖 ・53次文字鎖一名都路 ・牡丹に唐獅子
(2) 同じ文字なき歌 (3) 同じ文字多き詩歌
(4) 雑例 ・円形、楕円形 ・菱形 ・十字形 ・米字形 ・金のなる木 ・富士山形 ・二十日鼠の尾形
(5) 雑話 ・五筆和尚、四筆女史 ・詩歌のたはむれ ・東西南北 ・一字を変えて ・濁点、句読点 ・一首が数首
(6) 数字
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