作品名 |
量子暗号開発研究の現状 (「JADI2005.12」所収) |
著者名 |
都倉 康弘 (NTT物性基礎科学研究所) |
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発行日:2005.12
出版社:日本防衛装備工業会
形式:機関紙 |
目次
第1章 はじめに
第2章 量子暗号の原理
第3章 量子暗号実験の現状
第4章 NTT研究所における量子暗号研究
第5章 今後の動向 |
概要 |
第1章 はじめに
1 通信における暗号
・公開鍵暗号方式の理論と限界・・・・計算機の能力に依存する「条件付」安全性
・量子暗号は、無条件に安全を保証する。
2 量子暗号の性質
・「重ね合わせの原理」と「相補性原理」
第2章 量子暗号の原理
1 BB84方式
・ベネットとブラサールが1984年に提案した方式
・暗号方式と言うよりは、量子鍵配送方式と呼ばれることが多い。
2 安全性
・安全性の保証された暗号鍵が得られる
第3章 量子暗号実験の現状
1 初期の実験
・1989年、ベル研究所で初めて量子暗号の実験。
2 Plug&Play
・光ファイバーの利用。位相変調機とファラデーミラーの活用。・・・ノイズ光子のため高速動作に向いていない欠点。
3 最近の進展
・2002年、スイス、id Quantique社、初めてプロトタイプが商品化。以降、米、日(三菱電機)で研究が進む。
・長距離かが問題
第4章 NTT研究所における量子暗号研究
1 単一光子光源
・NTTとスタンフォード大学共同:マイクロキャビティ構造、コヒーレント光より優位性有り。
2 差動位相シフト方式
・2002年、新しい量子鍵配送プロトコル提案。構造簡単、高速化・
3 実験の現状
・20kmの光ファイバーで約毎秒3kbitのシフト鍵生成レートを得た。
第5章 今後の動向
1 素子開発
・発光素子と受光素子
2 量子もつれ光子対
・現在のもつれもつれ光源では飛躍的な伝送距離の増大は困難。 |