暗号理論
[ス行 作品]
作品名 スパイ・ゾルゲと暗号     (「防衛調達と情報管理」2005.11所収)
著者名 寺谷 弘壬    拓殖大学海外事情研究所・客員教授
発行日:H17.11.15
出版社:防衛調達基盤整備協会
形式:機関紙
目次
1 はじめに
2 偽名と変名
3 暗号とサイファー
4 数字化プラス乱数表
5 ゾルゲ機関の成果
概要
* 日本最大のスパイ事件。ゾルゲは収集した機密情報を無線でモスクワに送っていたが、手紙や荷物の郵便物、連絡員の活用もあった。
* ゾルゲは偽名が好きだった。
 ・正規な妻「エカテリーナ・マクシーモワ」(カチューシャ(女優))に対しては:イーカー、イー
 ・尾崎秀美、アグネス・メドレーに対しては:ジョンソン(尾崎はジョンソンを本名かと思っていた
 ・暗号文や通信文では:フレスリ、レオナルド、ブックス、インソン、ラムザイ
 ・仲間のコードネーム
  ブランコ・ヴーケリッチ:ジゴロ、イント
  マックス・クラウゼン:フリッツ、イゾップ
  宮城余徳:ジョー、インタリー
  尾崎秀美:オットー、インベスト
 ・その他
  オットー大使:アンナ、リッペンドロップ:リヒアルト、松岡洋右:マックス
*暗号とサイファー
 ・交信日時の連絡法
 ・電文を数字化、乱数を使用して送信・・・ロシアは暗号数学が発達した国
*数字化プラス乱数表
 ・通信文を数字化・・・「A,E,R,S,T,N,O,I」の8文字は頻度が高いので一桁の数字、他を二桁数字
 ・独逸政府統計局の「独逸国統計年鑑」を乱数表として活用
 ・受け取ったソ連諜報当局でさえ翻訳出来なかった通信文もある。


(戦史的要素もあるが、内容は暗号面の分析論文なので暗号理論に分類)
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