日本の暗号小説
作者名 佐野 洋
経歴 1928年、東京生まれ
海軍経理学校−旧制一高−東京大学文学部心理学科卒
同人雑誌「現代文学」発行、読売新聞社入社
本名:丸山 一郎:ペンネームは、友人「藤」、「野」の2文字と上司の令息の名前を組み
合わせた。また、「社の用」もする。あるいははやし言葉「差の良い良い」のしゃれとも言う。
主要な作品 1958:「銅婚式」:週刊朝日・宝石共催懸賞で二席入選でデビュー
1964:「華麗なる醜聞」:第18回日本推理作家協会賞受賞
「一本の鉛」、「賭の季節」、「秘密パーティ」、「金属音病事件」、「透明受胎」、
「轢き逃げ」、「小説三億円事件」、「推理小説代表作選集」の最多収集記録保持

作品名 あるエイプリルフール (ワンダー暗号ランド所収)
初出稿:S34 目次

「なし」(短編)
ストーリーの概要
書店の湯屋主任は、女性社員に名探偵振りの試験をすると言い、意味のありそうななさそうな文章を示し、昼までに解ければシャブランのケーキをおごると約束する。3通りの解答ができ、女性社員は、湯屋を待つが彼は来なかった。解き方が違っていたのだ。
暗号について
問題篇と解決篇に分かれている。分置式とアナグラム。言葉遊びを主とした暗号ミステリー
作品名 三億円犯人の兆戦     (「小説3億円事件」、「13の暗号」所収)
佐野ー三億円 初出稿:「小説現代」:S45.8
・小説3億円事件
発行日:S59.11.15
出版社:講談社
形式:講談社文庫
目次

「なし」(短編)
ストーリーの概要
「週間旋風」の編集長・飯坂洋裁店経営者の佐知代と交際している。佐知代から借りた金を競馬に投資し、失敗した為負い目を負う。「損益金主人」という差出人名で競馬の予想表が届いた。特集「3億円を追う」で、犯人が競馬狂だった場合というのを書いたからか。差出人は3億円事件の犯人か。
暗号について
書き出しに江戸川乱歩の「二銭銅貨」の引用があり、暗号小説と判断できる。競馬の予想表を暗号に使ったアイデアが面白い。編集者達が一度解いた解は。その後、佐知代が解いた解は。氏は推理文壇屈指の競馬通といわれる。
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