暗号戦史
「ア行 作品」
作品名 暗号解読戦、日本軍は米英に勝っていた  (「諸君平成16年2月号」所収)
著者名 小谷 賢
発行日:H16.2.1
出版社:文藝春秋
形式:雑誌(A5)
目次
「なし」
ストーリーの概要(暗号について)
* 戦前の日本では情報収集活動が重視されていた。通信傍受による情報収集は高度な手段だった。しかし、日米交渉やミッドウェー海戦における失態から、日本は米英との情報戦争に敗北したという定説が語られてきた。

* 発掘された「新資料」
 ・CIAが、1976年に日本が連合軍の暗号を解読していたと評価
 ・イギリスのチャップマンが、日本は米英の外交通信を傍受、解読していたと論評
 ・外務省「特殊情報綴」
 ・海軍の暗号解読記録の発見・・・防衛研究所戦史史料室
 ・イギリス公文書館の資料公開
* 低度外交暗号は解読できた
 ・陸海軍の暗号解読班・・・米国務省のグレイ暗号、イギリスの官庁間通信暗号の解読
 ・米の「シガバ」、イギリスの「タイペックス」は解読できず
* 消極的だった英米の態度
 ・解読結果:戦前において、仏印関係について米英は消極的
* 陸軍に決断を促したもの
 ・海軍はハノイの米公使館からワシントンの国務省宛の外交暗号を解読、さらにハノイからロンドンへの報告も解読・・・陸軍の仏印進駐へ
* 油断ならないタイの策動
 ・特情でタイの動向をキャッチ・・・タイが英と仏印問題を協議
* 強気に出る松岡外交
 ・シンガポールのFECBが日本軍の進駐開始を掴むが時すでに遅し。
* 数百人で一万人に勝つ
 ・日本側は、英米の意図を把握しながら、仏印との交渉に臨んでいた。
 ・軍部や松岡の言葉の端々に「特情」によって得られた情報の使用が出てくる。
 ・日本の暗号解読要員は、米英に勝っていた。
* 仇となった「慢心」
 ・太平洋戦争勃発時点では、英米の暗号解読が有利
 ・外務省暗号に絶対の自信・・「破られる心配のない」暗号が解読されていた。
* 劣勢の中の真珠湾攻撃
 ・英の「INDIV」暗号・・・高度外交暗号・・・解読できず
 ・英米との暗号解読戦において劣勢に転落しつつあった時期に戦争に挑んだ!
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