暗号戦史
「ア行 作品」
作品名 暗号解読をめぐるSSUへの広瀬栄一の供述
  
    (「Intelligenc9号」所収)
著者名 宮杉 浩泰  (訳・解説)  
発行日:2007.11.28
編集:20世紀メディア研究所
出版社:紀伊国屋
形式:(雑誌)B5
目次
【特集■対ソ・対ロのインテリジェンス活動】
  ・在外公館の対ロ・インテリジェンス活動/佐藤優
  【討論】特集テーマをめぐって/加藤・佐藤・山本
  ・情報戦のなかの「亡命」知識人/加藤哲郎
  ・第二次大戦期における北欧の日本陸軍武官室の対ソ・インテリジェンス活動 /山本武利
  ・第二次大戦期日本の暗号解読における欧州各国との提携/宮杉浩泰
  ・〔資料紹介〕
暗号解読をめぐるSSUへの広瀬栄一の供述/解説・訳:宮杉浩泰
  ・日本・ポーランド暗号協力に関する一考察/木村洋
  ・戦時期日本の暗号解読とアメリカの対応――暗号運用の観点から/森山優
【一般論文】
  ・wwUインド・ビルマ戦域における英国の対日宣伝
  ・週刊子供マンガ新聞」の時代/小野耕世
【資料紹介】
  ・ ビルマ戦域における101分遣隊の活動
ストーリーの概要
WWU中に北欧に駐在した陸軍軍人、小野寺信、小野打寛、広瀬栄一の3名を戦後アメリカが尋問した記録(Japan Wartime Intelligence Activities in Northern Europe)から、広瀬栄一に関する部分を訳出したもの。
尋問は、SSU(Strategic Service Unit)が実施し、1946.9.30に作成された。
暗号について
1 資料解説
 *フィンランドは、ソ連の歩兵、戦車、航空部隊用の暗号解読には成功したが、ソ連海軍の5数字暗号は失敗した。
 *解読に成功した理由の主は、ソ連の運用ミスである。(規則への無頓着)
 *ハンガリーで桜井信太と会っている。解読作業について協議したのだろう。
 *羽方について過少評価しているが、迷惑がかからないようにしたのだろう。
 *小野寺の「ステッラ・ポロリーズ作戦」にも触れている。

2 広瀬栄一の供述T
 *広瀬は参謀本部第2部所属の暗号分析課と協力するために派遣された。
 *フィンランド駐在の日本公使でさえ、広瀬が通常の武官補佐官以上の任務を帯びているとは知らなかった。
 *ハラマ大佐、パルコ大尉、パレ中尉、ボコヤブレンスキー等と協力して実施
 *1944初め、広瀬はフィンランドの作業場から出された・・・恐らく日本側からの情報提供が無いからでは?
 *欧州各地を回っている
 *1943.7、アシスタントとして羽方が来た。分析作業の経験不足で役に立たなかった。

3 広瀬栄一の供述U・・・フィンランドの暗号分析グループとの協力を通じて日本側が得た外国暗号情報
 *1943秋、米の外交用のストリップタイプの暗号が提供された
   ・米は、新旧暗号を併用したミスをした。
 *小野寺は英の暗号資料を受領した。
 *ソ連の暗号・・4数字暗号、NKVDは各部隊毎にさまざまなものがあった。
 *1941年6月のドイツによるロシア侵攻時、ソ連の暗号の弱点が露呈
 *5数字暗号は、規則的配列ときまりきった乱数表の使用が原因で解読できた。
  ・ソ連は改良し、解読困難になった。
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