作品名 |
暗号名 イントレピッド |
著者名 |
ウィリアム・スティーヴィンソン (William Stevenson) (訳:寺村 誠一、 赤羽 龍夫) |
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発行日:S58.4.15
出版社:早川書房
形式:四六判 |
目次
出発点〈イントレピッドの序文〉
沈黙を破る〈その歴史の説明〉
第1部 平和の時代に
第2部 戦いつづけよ
第3部 弾劾さるべき上法行為
第4部 「大災害だぞ」とふれる
第5部 独創的で上気味な手際
第6部 終わりの始まり
エピローグ 別の島からの眺め
別れの言葉
主要年表
訳者あとがき
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ストーリーの概要 |
1940年、英仏海峡へと破竹の勢いで進撃するナチ・ドイツの前に、イギリスの生存は危殆に瀕していた。この重大な局面に対処すべく、チャーチル首相は、一人の男に任務を与えた。
「ヒトラーの世界制服の突破口は、この小さい島イギリスを降伏させることだ。このことをルーズヴェルト大統領に伝えてくれ!」
この使命を受けた人物は、科学者で第1次世界大戦時の空のエース、ヨーロッパ諸国を股にかけるカナダの実業家ウィリアム・スティーヴンソンだった。その使命と人柄に相応しく、暗号名は"勇猛な"を意味する《イントレピッド》だった。
軍需品の援助が死活問題であった当時、彼は中立国アメリカとの秘密交渉にあたるとともに、「アメリカを戦場に参加させる」密名を帯びていた。そして、英米の諜報組織を統合する必要を感じたチャーチルの要請で、彼は強大な敵枢軸国とその傀儡政権を打破するため、国際的な大諜報網をもついイギリス安全保障調整局(BSC)を創設し、ニューヨークにその本部を置いた。
このBSCの秘密活動こそが、戦局を転換し、連合国の勝利を決定的にした・・・
・ ナチの最高機密"エニグマ"暗号の解読
・ 原子爆弾の開発競争
・ 報復兵器Vロケット基地の破戒工作
・ 巨漢ビスマルクの撃沈
・ Dデイを可能にした"大いなる欺瞞作戦"
・ 欧州全域に点在するレジスタンス軍の編成・・・・・等々
史上最大の諜報機関と、この機関の総指揮をとり、チャーチルの密使、ルーズベルトの親友かつ顧問各で、OSSとCIAの名親であった人物の全貌を、30数年の固い沈黙機関を経て明かす記録。 |
暗号について |
* 写真:
・ エニグマ、その説明。
・ 暗号を送信する無線通信手、女スパイ「マドレーヌ」
・ 特種インクで書かれた手紙。マイクロドット。
・ 暗号名「シンシア」・・・エニグマの秘密を探る女スパイ。シンシアが入手したヴィシー仏の暗号書
* 本文
第1部 平和の時代に
・ ウィママーン電報。英の40号室。
・ 米のブラック・チェンバー。
・ エニグマをめぐる攻防。英の暗号学校。
・ エニグマ暗号を解読するために米英の協力。
第2部 戦いつづけよ
・ 英ブレッチリーおける暗号解読
・ 独も英の暗号を解読していた。
・ 日本の暗号解読・・・マジック
・ コヴェントリー爆撃に対するチャーチルの決断
・ バーミューダ基地の重要な役割・・・通信の傍受
・ フリードマンの活躍、役割。
・ 女スパイ「マドレーヌ」の活躍
第3部 弾劾さるべき上法行為
・ ビスマルクの撃沈における暗号解読の役割
・ 暗号名「トライシクル」によるに日本の「真珠湾攻撃」情報・・・米は無視
第4部 「大災害だぞ」とふれる
・ ニューヨークの日本総領事館から暗号書を盗撮
・ 日本の外交暗号の解読
第5部 独創的で上気味な手際
・ 女スパイ、暗号名「シンシア」の活躍
・ 北アフリカ作戦時、カイロ駐在米陸軍武官の暗号が解読された
第6部 終わりの始まり
・ ドイツの暗号解読により上陸作戦成功。
・ 2重スパイにより情報がソ連に流れた。
・ 地下組織の暗号
* その他、540P中、情報活動における「暗号解読の役割・価値、実例」について大半を割いて記述している。 |