暗号戦史
「ア行 作品」
作品名 ある暗号解読者の終戦
著者名 田中 國夫
発行日:2006.9.15
出版社:共同印刷所
形式:B5(ソフト)
*非売品
目次
第1章 終戦前夜
第2章 終戦日
第3章 常光寺での中野邦夫
第4章 中央特種情報部の終戦
第5章 田中邦夫へ復帰
第6章 暗号関係者の調査
第7章 別れと再会
第8章 60年目の常光寺訪問
第9章 余禄
第10章 参考資料
ストーリーの概要
著者は、終戦時、陸軍中央特種情報部第3課第3班(通称独仏班)の班長だった。当初は大本営陸軍部付で、参謀本部第18班に配属せられ独班長担当。
終戦に伴い、暗号関係者は米軍の追及を逃れるため、主要な者は偽名を使い潜伏した。著者の偽名は「中野邦夫」。
あるとき、夢枕に現れた「中野邦夫」に触発され、当時潜伏した常光寺訪問から始まり、当時の暗号解読に携わった話等を記述してある。
暗号について
第1章 終戦前夜
・ 大本営陸軍部命令:「中央特種情報部は、その存在を湮滅すべし。」
・ 数名が指名され、特別命令。 
 @ 指名されたものは、速やかに部から退去し、待命すべし。(地下にもぐって別名を待て)
 A 偽名を用い、別人になる。新たな戸籍と身分証明書を交付する。
 B 連絡先は、指名した上司一人。お互いの横の連絡も禁止。
 C 当座の資金は支給。200円
 D 退去時の持ち物:拳銃、部幹部名簿、担当国の暗号書と解読資料、その他
・中央特種情報部
 ・ 「特種」であり、「特殊」ではない。昭和14年3月、参謀本部18班として発足。
 ・ 昭和18年7月改組「中央特種情報部」、別名、「中央通信調査部」
 ・ 1課:総務、2課:支那、3課:ソ連・ドイツ等、4課:総合分析、5課:米・英、6課:通信情報、特種情報連隊(田無村)
第2章 終戦日
 ・ 常光寺潜伏の経緯
第3章 常光寺での中野邦夫
 ・ 9月15日、電報:「中央終戦連絡事務所に連絡を取られたし」
第4章 中央特種情報部の終戦
 ・ 終戦時の参謀総長指示:「あの具関係者は、連合軍によって処罰される恐れあり。関係書類はすべて破棄」
 ・ 潜伏間、特情班等で行った処置
第5章 田中邦夫へ復帰
第6章 暗号関係者の調査
 ・ 連合国軍総司令部への出頭:第1生命相互ビル8階
 ・ 尋問事項
  @ 担当国別の暗号の種類と解読状況
  A 担当国別の情報としての利用状況
  B 作業主任者の名簿、机の配置
  C 担当国以外の国の暗号
第7章 別れと再会
第8章 60年目の常光寺訪問
第9章 余禄
・ 暗号解読の神様・中野勇少将
・ 数学の天才・釜賀一夫少佐
・ 語学の天才・赤羽龍夫通訳官
第10章 参考資料
付録:暗号解読の内膜:赤羽龍夫(昭和の戦争8諜報戦争 証言W 暗号解読の内幕:講談社)
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