暗号戦史
「タ行 作品」
作品名 大海軍惜別基
著者名 実松 譲
発行日:S54.11.4
出版社:光人社
形式:四六判
目次
第1章 赤レンガ
第2章 米国駐在
第3章 ワシントンの勤務
第4章 祖国へ
第5章 続・赤レンガ
第6章 軍艦旗の最後
ストーリーの概要
(帯から)
 太平洋戦争緒戦期の大勝に驕り、侮敵の風潮に流されて現実を直視せず、あくまでも客観的で合理主義に徹した対米情報作業もむなしく、遂に破局への道を歩んだ日本海軍の中枢の一人が、来し方への折々に秘められた挿話を、滅び去りし大海軍への愛惜と自省を込めて語り継ぐ回想記。

 (まえがきから)
 思えば私の海軍生活は、わずか25年に過ぎない。その4半世紀のうち最後の8年近くを、「赤レンガ」と俗称された海軍中央部と、わが海軍を滅亡に導いたアメリカで過ごした。
 初めて赤レンガに勤務した当時、日独伊三国同盟を結ぼうとする枢軸派の激流は滔々滔して流れ、海軍は国家の前途を憂え、毅然として時流に効する。
 昭和16年末には、日米両国間に破局を見るにいたり、それから半年、我々は敵国に抑留され、流浪の旅を続けた。
 外交官を帰国させる交渉がまとまり、われらは8月下旬に帰国する。私の予想と期待に反し、またもや赤レンガで勤務することとなり、引き続き対米情報作業に献身する。
 こうした約8年の思い出の一端を綴った。昭和海軍史の片鱗であり、私の大海軍惜別記である。
暗号について
* 第3章 ワシントン勤務:暗号解読の鬼才
・ ワシントン会議当時のヤードレーの暗号解読
・ 太平洋戦争における「フリードマン」の暗号解読:マジック
  フリードマンの暗号解読への道
・暗号解読の実績
・暗号解読の珍訳
・海軍通信保全課長:サフォード大佐のマジック情報への取り組み方
・ワシントンの日本大使館の暗号電報取り扱い:何故遅延したか!
・暗号解読者に対する功績の扱い

*「日新丸」からの暗号書強奪事件
細部記述なし。
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